◎これにより、スーダン、南スーダン、ソマリア、エリトリアなどの難民を含む推定100万人への食料支援が再開されることになった。
エチオピア、北部ティグライ州の難民キャンプ(UNICEF)

米国際開発庁(USAID)は5日、エチオピアに逃れた難民への食料支援を再開すると発表した。

それによると、エチオピア政府が難民向け食料の発送・保管・配布から手を引くと約束したため、再開を決めたという。

これにより、スーダン、南スーダン、ソマリア、エリトリアなどの難民を含む推定100万人への食料支援が再開されることになった。

しかし、内戦と干ばつに苦しむエチオピア北中部の市民約2000万人への食料支援の再開時期はまだ決まっていない。

USAIDは今年6月、エチオピアへの食料支援を全面的に停止した。内部調査の結果、北部ティグライ州など、飢えに苦しむ数百万人のために提供した食料の一部が市場に出回っていることが確認されたためだ。

USAIDは5日の声明で、「エチオピアへの食料支援においては、転売などを防ぎ、助けを必要としている人々に食料を確実に届けるため、国連などの関係機関と協力して生体認証などの対策を実施する」と説明した。

USAIDと国連世界食糧計画(WFP)が6月に公表して報告書によると、飢えに苦しむ市民数百万人に提供したはずの食料の一部が首都アディスアベバなどの市場に出回っていたという。

WFPも同国への食料支援を一時停止したものの、7月末に一部地域への配送を再開した。

AP通信は当時、USAID当局者の話しとして、「一連の横流しは人道支援の盗難としては過去最大規模になる可能性がある」と伝えていた。

それ以来、ティグライ州では食料支援の停止に関連して数千人が栄養失調などで死亡したと報告されている。

ティグライ州政府は先月、この横流しに関与したとされる480人が逮捕されたと発表した。

ティグライ州を含む北部地域は政府とティグレ人民解放戦線(TPLF)による2年に渡る戦争で荒廃。国連によると、同州の人口約600万人のうち540万人が人道支援に頼っている。

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