◎北マケドニアは隣国ブルガリアの要請に基づき、憲法を改正し、ブルガリア人を国内に居住する少数民族のリストに追加することに合意した。
米国務省は25日、北マケドニアのEU加盟に向けた取り組みが前進することに期待を表明した。
同省の代表団は北マケドニアの首都スコピエで首相らと会談。その後の共同記者会見で、「米国は北マケドニアのEU加盟を強く支持する」と改めて表明した。
北マケドニアは隣国ブルガリアの要請に基づき、憲法を改正し、ブルガリア人を国内に居住する少数民族のリストに追加することに合意した。
しかし、国会は先週、憲法改正に向けた手続きを開始したものの、保守派の強い反発を受け、暗礁に乗り上げた。
米国の代表団はX(旧ツイッター)に声明を投稿。「北マケドニア議会で改正プロセスが始まったことに興奮している」と書き込んだ。
この改正案はクロアチア人、モンテネグロ人、スロベニア人、ユダヤ人など他の少数民族のリスト入りを認めるとしており、議会の3分の2以上の賛成が必要である。
しかし、120議席中44議席を占める野党・国家統一民主党(VMRO-DPMNE)は改正案に反対しており、連立与党はこの議員少なくとも5人を取り込まなければならない。
現行の憲法はアルバニア人、トルコ人、セルビア人、ロマ人を同国に居住する少数民族の中にリストアップしている。
米国務省の代表団はVMRO-DPMNEの党首とも会談した。
VMRO-DPMNEは会談後の声明で、「改正案について譲歩するつもりはなく、解散総選挙で決着をつけるべき」と述べた。
北マケドニアとアルバニアは昨年7月、EUとの加盟交渉を開始した。
北マケドニアは2005年からEU加盟候補国となっている。同国は2018年、隣国ギリシャとの長期にわたる争いに終止符を打った。
しかしその後、ブルガリアが言語と文化の問題で異議を唱え、憲法にブルガリアの少数民族を明記しない限り、北マケドニアをEUに加盟させないと主張した。