◎ソマリアに拠点を置くイスラム過激派組織アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつだ。
米政府は1日、世界最大のアルカイダ系ネットワークと対峙するソマリア政府への軍事支援を拡大すると表明した。
米政府は声明の中で、「61トンの兵器と弾薬が首都モガディシオの到着した」と述べている。
ソマリアに拠点を置くイスラム過激派組織アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつで、同国南部と中部の大部分を支配し、モガディシオ近郊まで支配地域を拡大していた。
米政府はアルシャバーブを「アルカイダ系の最凶組織」と評している。
ソマリアの安全保障パートナーであるカタール、トルコ、UAE(アラブ首長国連邦)、イギリスも共同声明で、ソマリア軍の努力を支援するとしている。
ワシントンD.C.を訪問中のソマリア大統領府の国家安全保障顧問はツイッターに声明を投稿。「バイデン政権と非常に生産的な協議を行うことができた」と書き込んだ。
ソマリアのモハムド(Hassan Sheikh Mohamud)大統領は昨年、アルシャバーブとの「全面戦争」を宣言した。
専門家によると、アルシャバーブの戦闘員数は数千人。隣国ケニアなどで活動する外国人を含めると、小国の軍隊に匹敵する戦力になると推定されている。
戦闘員たちは自爆攻撃を多用し、ケニアの首都ナイロビや米軍が使用する軍事基地など、ソマリアだけでなく東アフリカの広い範囲でテロ攻撃を行っている。
アルシャバーブはシャリア(イスラム法)に基づく国家の建設と、東アフリカに駐留する外国軍の撤退を求めている。
ソマリアでは過去最悪レベルの干ばつが進行中であり、アルシャバーブの支配下に置かれた地域は危機的な状況に置かれている。
ソマリア政府は隣国のエチオピア、ケニア、ジブチと共同で対アルシャバーブ掃討作戦を実施することに合意している。
政府は数十年にわたる紛争から立ち直り、失敗国家という歴史を捨て、投資を呼び込もうと躍起になっている。
モハムド氏はアルシャバーブの資金源を断ち、宗教団体や地元の酋長などにグループのプロパガンダを拒否するよう働きかけている。
一方、米国はトランプ政権時代にソマリア駐留軍を撤退させたが、バイデン(Joe Biden)大統領はこれを覆し、推定450人の部隊を再配備した。
米軍はソマリア軍およびアフリカ連合(AU)軍をドローンによる攻撃・情報収集で支援し、訓練を提供している。
AU軍は2024年までにソマリアから撤退する予定であり、それまでに治安を回復させたいとしている。