◎米政府はアルシャバーブをアルカイダ系列の最凶組織と評している。
米アフリカ軍司令部は23日、ソマリアのアルカイダ系組織アルシャバーブの拠点を空爆し、3人を殺害したと明らかにした。民間人の死傷者はなかったとしている。
同司令部によると、空爆はソマリア政府の要請により実施され、南部の港湾都市キスマヨの北東約35キロの拠点を破壊したという。
標的となった3人の身元は不明。アルシャバーブは声明を出していない。
アルシャバーブは国際テロ組織アルカイダとつながりのある過激派のひとつで、ソマリア南部と中部の大部分を支配し、首都モガディシオ近郊まで支配地域を拡大したとされる。
米政府はアルシャバーブをアルカイダ系列の最凶組織と評している。
アルシャバーブはアフリカ連合(AU)による平和維持活動をものともせず、テロ攻撃を継続。西側諸国はソマリア政府を支援し続けているが、16年に渡る紛争が解決する目途は全く立っていない。
アルシャバーブは隣国ケニアでも大規模攻撃を展開している。ケニア軍はソマリアにおけるAU平和維持軍の主力を担っている。
2020年、アルシャバーブはケニア沿岸部の米テロ対策部隊が使用する軍事基地を急襲・占拠し、撃退される前に米兵3人を殺害、米軍機や車両数台を破壊した。
1万9000人規模のAU平和維持軍は今後数カ月でソマリア軍に安全保障任務を引き継ぐことを目指し、ソマリアからの段階的撤退を進めている。