米国の麻しん(はしか)感染者、過去最多に迫る

今年の麻しん感染者は24年比で4倍に増加。30年ぶりの高水準に迫っている。
麻しん(はしか)ワクチン(Getty Images)

疾病対策センター(CDC)は6日、全国の麻しん(はしか)感染者が1168人に達したと明らかにした。

今年の麻しん感染者は24年比で4倍に増加。30年ぶりの高水準に迫っている。24年は285人であった。

麻しんは「麻しんウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症。ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強い。

免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染すると一生免疫が持続すると言われている。

米国で麻しん感染者が1000人を超えたのは2019年以来5年ぶり。この年は1274人の感染が報告された。CDCは1992年の記録を上回る可能性が高いと警告している。

CDCによると、感染者の95%がワクチン未接種者または接種状況不明者である。

感染内訳は5~17歳が最も多く、次いで4歳以下となっている。

麻しん、おたふくかぜ、風疹(MMR)ワクチンを2回接種した人の発症割合は3%、1回接種は2%となっている。

CDCはワクチンを2回接種することを推奨しており、1回目は生後12カ月から15カ月、2回目は4歳から6歳の間に接種できる。CDCによると、1回接種で93%、2回接種で97%の麻しん予防効果があるという。

震源地であるテキサス州では今年、ワクチン未接種の子供2人が亡くなっている。2人に基礎疾患はなかった。

テキサス州と隣接するニューメキシコ州ではワクチン未接種の成人が死亡した。

テキサス、ニューメキシコ、アラスカ、アーカンソー、カリフォルニア、コロラド、フロリダ、ジョージア、ハワイ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、メリーランド、ミシガン、ミネソタ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ニュージャージー、ニューヨーク、ノースダコタ、オハイオ、オクラホマ、ペンシルベニア、ロードアイランド、サウスダコタ、テネシー、バーモント、バージニア、ワシントンの計33州で患者が確認されている。

米国は2000年にWHOの麻しん排除認定を受けたが、この状態が続けば認定取り消しになる可能性がある。

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