米国の麻しん(はしか)感染者、過去最多を更新=CDC
全米38州で1288人の感染が報告され、2019年に記録した1274人を上回ったという。24年通年の感染者は285人であった。
ワクチン(Getty-Images).jpg)
米疾病対策センター(CDC)は9日、全国の麻しん(はしか)感染者数が過去最多を更新したと明らかにした。
それによると、全米38州で1288人の感染が報告され、2019年に記録した1274人を上回ったという。24年通年の感染者は285人であった。
麻しんは「麻しんウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症。ウイルスの感染経路は空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強い。
免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症し、一度感染すると一生免疫が持続すると言われている。
CDCによると、感染者の92%がワクチン未接種者または接種状況不明者である。
感染内訳は5~17歳が最も多く、次いで4歳以下となっている。
麻しん、おたふくかぜ、風疹(MMR)ワクチンを2回接種した人の発症割合は4%、1回接種も4%となっている。
CDCはワクチンを2回接種することを推奨しており、1回目は生後12カ月から15カ月、2回目は4歳から6歳の間に接種できる。CDCによると、1回接種で93%、2回接種で97%の麻しん予防効果があるという。
アラスカ、アーカンソー、アリゾナ、カリフォルニア、コロラド、フロリダ、ジョージア、ハワイ、イリノイ、インディアナ、アイオワ、カンザス、ケンタッキー、ルイジアナ、メリーランド、ミシガン、ミネソタ、ミズーリ、モンタナ、ネブラスカ、ニュージャージー、ニューメキシコ、ニューヨーク、ノースカロライナ、ノースダコタ、オハイオ、オクラホマ、オレゴン、ペンシルベニア、ロードアイランド、サウスダコタ、テネシー、テキサス、ユタ、バーモント、バージニア、ワシントン、ワイオミングの計38州で患者が確認された。
震源地であるテキサス州の感染者は753人。同州では今年、ワクチン未接種の子供2人が亡くなっている。2人に基礎疾患はなかった。
テキサス州と隣接するニューメキシコ州でもワクチン未接種の成人が死亡した。
各州政府が義務付けたワクチン接種を受けた幼稚園児の割合は2019ー20年度の95%から、23-24年度には92%に低下した。
CDCによると、全米の幼稚園児約28万人が麻しんワクチンの接種を完了していないという。
米国は2000年にWHOの麻しん排除認定を受けたが、この状態が続けば認定取り消しになる可能性がある。