◎体罰は教員が児童・生徒の身体に直接的又は間接的に「肉体的苦痛」を与える行為と規定されている。
民主党州知事が今月署名した法案は私立学校での体罰を禁じ、30年前に施行された公立学校の体罰禁止も改めて規定している。同法は来年1月1日に施行される。
米国で学校教育における体罰を禁じている州はニュージャージー、アイオワ、メリーランド、ニューヨークの4州。これにイリノイが加わることになる。
体罰は教員が児童・生徒の身体に直接的又は間接的に「肉体的苦痛」を与える行為と規定されている。
シカゴ選出の連邦議会議員(民主党)は今年、イリノイ州内の学校で黒人や障がいのある生徒などが不適切な対応を受けているという報告が繰り返されているという報告に基づき、同州議会に体罰を禁じる州法を起草するよう要請した。
イリノイ州の教育委員会もこの考えに同意。「公立であろうと私立であろうと、体罰は許されない」と強調した。
イリノイ州の民主党議員はミズーリ州南西部のある学区で体罰が認められていることに言及している。その学区では2001年に体罰を禁じたが、保護者の要請を受け、2年後に禁止令を廃止した。
他の多くの国も体罰禁止を支持している。
世界保健機関(WHO)は体罰を「人間としての尊厳を尊重する子供の権利を侵害するもの」と定めている。
「国連子どもの権利条約」は子供の基本的人権を国際的に保障するものであり、「子供に対するすべての体罰を禁止する」義務などを定めている。