▽24年の全米の薬物過剰摂取による死者数は8万391人。過去5年間で最も少なくなった。
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米疾病対策センター(CDC)は14日、昨年の薬物過剰摂取による死者数が23年比で26.9%減少したと発表した。
それによると、24年の全米の薬物過剰摂取による死者数は8万391人。過去5年間で最も少なくなった。23年は11万37人であった。
薬物過剰摂取はパンデミック時に急増。過去2年間は減少に転じている。
CDCによると、最も多くの死者を出した薬物はフェンタニルを含む合成オピオイド。24年の死者数は4万8422人、23年は7万6282人であった。
全米のほぼすべての州で死者数が減少。ルイジアナ、ミシガン、ニューハンプシャー、オハイオ、バージニア、ウェストバージニア、ウィスコンシン、コロンビア特別区(ワシントンDC)は23年比で35%以上減少した。
これに対し、サウスダコタ州とネバダ州は23年比で増加に転じた。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。
米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。
米国に流入するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸してきた。
トランプ(Donald Trump)米大統領は不法移民とフェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。メキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な移民・薬物対策を導入している。