◎ヒューストン、マイアミ、ニューヨーク、ニュージャージーなど、米国東部とメキシコ湾に面するすべての主要コンテナ港は1日に閉鎖された。
2024年10月2日/米ニューヨーク州、ニューヨーク港、賃上げを求める港湾労組のストライキ(AP通信)

米国史上最大規模の港湾ストライキを終結させた国際港湾労働者協会(ILA)と使用者である米国海事同盟(USMX)が6年間で62%の賃上げを行うことで暫定合意した。現地メディアが3日に報じた。

ILAは全米約4万5000人の港湾労働者を代表する労働組合。3日、現在の契約を来年1月15日まで延長することでUSMSと合意した。

ヒューストン、マイアミ、ニューヨーク、ニュージャージーなど、米国東部とメキシコ湾に面するすべての主要コンテナ港は1日に閉鎖された。この規模のストは1977年以来47年ぶり。

アナリストはこのストが記録的な経済損失をもたらし、インフレに拍車をかけ、来月の大統領選に影響を与える可能性があると指摘していた。

オックスフォード・エコノミクスはこのストが米国の経済に与える毎週の損失額を45億ドルから最大75億ドル(約1兆1000億円)と予測している。

ILAとUSMSは3日午後の共同声明で、「現在の労働争議を直ちに終了し、契約に基づき、すべての業務を再開する」と宣言した。

現地メディアによると、労使は6年間で62%の賃上げを行うことで暫定合意した。ILAは6年間で77%の賃上げと港のオートメーション化を禁止するよう会社に求めていた。

USMSは今週初めに50%の賃上げを提示。ILAはこれを拒否し、ストを開始した。

今回の暫定合意により、現在の契約終了後、組合員の時給は39ドル(約5800円)から63ドル(約9300円)まで引き上げられることになる。

ホワイトハウスはUSMSに対し、より高い賃金を提示してストを終結させるよう圧力をかけていた。

一方、ABCニュースは情報筋の話しとして、「もうひとつの争点である港のオートメーション化禁止は暫定合意に含まれておらず、今後の交渉で話し合われることになる」と伝えている。

ILAは組合員の仕事に大きな影響を与えるとして、港のオートメーション化を禁じるよう求めている。

バイデン(Joe Biden)大統領は3日の声明で暫定合意を歓迎。「過去最高の賃上げと団体交渉の延長に関する暫定合意は、米国の経済を支える低中所得者層が重要な一歩を踏み出したことを意味する」と述べた。

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