米司法省、メキシコ麻薬組織「湾岸カルテル」の幹部5人起訴
湾岸カルテルは世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルやハリスコ新世代ほど広く知られていないが、西部ミチョアカン州の大部分を支配している。
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米司法省は14日、メキシコの麻薬組織「湾岸カルテル」の幹部5人を起訴したと明らかにした。
湾岸カルテルは世界最大の麻薬組織シナロア・カルテルやハリスコ新世代ほど広く知られていないが、西部ミチョアカン州の大部分を支配している。
米財務省も声明を出し、湾岸カルテルを制裁リストに追加すると発表。同組織が米国内に保有する資産を凍結した。
司法省は湾岸カルテルを合成麻薬フェンタニルを大量生産する組織のひとつと指摘。「違法薬物で得た収益が武器の調達、傭兵の雇用、地方当局者への賄賂に充てられている」と述べた。
国務省は14日、司法省が起訴した幹部5人の逮捕につながる情報に合計2600万ドルの報奨金をかけると発表した。
5人はメタンフェタミン、コカイン、フェンタニルを含む薬物の製造・販売を主導した罪などで起訴された。
トランプ(Donald Trump)大統領は移民とフェンタニルによる「脅威」を理由に、国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づく国家非常事態を宣言。南部のメキシコ国境に軍を展開し、軍用機で不法移民を送還するなど、様々な移民対策を導入している。
さらに湾岸カルテル、シナロア・カルテル、ハリスコ新世代など、中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定。6月初めにはシナロア・カルテルの一派であるロス・チャピトスも外国テロ組織に指定した。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。
米疾病対策センター(CDC)によると、24年の全米の薬物過剰摂取による死者数は8万391人。過去5年間で最も少なくなった。23年は11万37人であった。
最も多くの死者を出した薬物はフェンタニルを含む合成オピオイド。24年の死者数は4万8422人、23年は7万6282人であった。