◎低気圧は五大湖周辺で勢力を増し、カテゴリー3まで成長する可能性がある。
2022年12月21日/米ミネソタ州、ミネアポリス・セントポール国際空港(Abbie Parr /AP通信)

国立気象局(NWS)は21日、数十年に一度の「爆弾低気圧」が今週米国とカナダを通過し、交通に深刻な影響を与える可能性があると警告した。

NWSによると、豪雪と凍てつくような寒さをもたらす低気圧は北西部の太平洋岸から東に進み、21日午前の時点でロッキー山脈の東に到達したという。

今週末には米加国境付近に連なる五大湖を直撃する見込みだ。NWSは低気圧が23日にさらに勢力を強め、ハリケーン並みの爆弾低気圧になると警告している。

報道によると、多くの地域で航空便の欠航や遅延が相次ぎ、道路の凍結によるスリップ事故が多発しているという。

ユナイテッド、アメリカン、デルタ、サウスウエストの大手航空各社はこの大嵐を見越してフライト予定を変更したい旅行者の手数料を免除すると発表した。

気象警報の対象になっている地域は北西部ワシントン州から東部メリーランド州にかけて広がり、7000万人以上が影響を受けている。

シアトルとバンクーバーの空港は20日、すべてのフライトをキャンセルした。

低気圧は東に移動し、22日までに中西部の主要空港であるデトロイトとシカゴに大雪を降らせると予想されている。各州政府は着雪による停電が発生する恐れがあるとして、市民に防寒対策などの準備を進めるよう呼びかけた。

NWSによると、低気圧は五大湖周辺で勢力を増し、カテゴリー3まで成長する可能性があるという。NWSはこれを「一世代に一度」の爆弾低気圧と呼んだ。

<ハリケーンのカテゴリー>
▽カテゴリー1:秒速 33~44(m/s)
▽カテゴリー2:秒速 43~49(m/s)
▽カテゴリー3:秒速 50~58(m/s)
▽カテゴリー4:秒速 58~70(m/s)
▽カテゴリー5:秒速 70~(m/s)

シカゴ当局は一部地域の風速が55m/sに達する可能性があると警告し、「大型ハリケーンに匹敵する暴風になる」として、市民に最大限の警戒と早めの避難を呼び掛けている。

NWSは強風の影響で気温が著しく低下し、生命を脅かすような低温になる恐れがあると警告している。

予報官によると、ハワイ州を除くすべての州のクリスマスイブの最低気温がマイナス6度を下回る可能性があるという。NWSは停電に備えて毛布などの防寒対策と飲料水をできる範囲で備蓄するよう呼びかけている。

2022年12月21日/米ミネソタ州、ミネアポリス・セントポール国際空港前(Alex Kormann /Star Tribune)
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