◎最新の世論調査によると、バイデン大統領とトランプ前大統領の支持率は拮抗している。
11月の米大統領選で再選を目指すバイデン(Joe Biden)大統領に選挙戦からの撤退を促す民主党員が増えている。
バイデン氏は5日に放送されたABCのインタビューで、「私に撤退を求められるのは全能の神だけだ」と語った。
ミネソタ州選出のクレイグ(Angie Craig)下院議員は6日、同僚議員とともにバイデン氏に選挙戦から撤退するよう求めた。現地メディアによると、さらに多くの民主党員がこれに続く可能性があるという。
バイデン氏はインタビュー中で、「TV討論会のパフォーマンスが悪かったのはひとつのエピソードに過ぎない」と述べ、撤退を求める声を一蹴した。
民主党の幹部はバイデン氏に撤退を要求していないが、党内部で不安が高まっている。
最新の世論調査によると、バイデン氏とトランプ(Donald Trump)前大統領の支持率は拮抗している。一部の民主党員はバイデン氏が出馬した場合、上院でも共和党に多数派を奪われるのではないかと懸念しているようだ。
ミネソタ州の激戦区から出馬するクレイグ氏は6日、「バイデン大統領がトランプ氏に対して効果的に選挙戦を展開し、勝利することができるとは到底思えない」と述べた。
またクレイグ氏は「バイデン大統領の数十年にわたる奉仕に敬意を表するが、トランプ氏が2度目の大統領になるリスクを冒すべきではない」と強調した。
テキサス州選出の下院議員も5日に放送されたCNNのインタビューで、「党は今、大きく揺れている」と述べていた。
クレイグ氏は「バイデン大統領の決断が遅れれば遅れるほど、トランプ氏を打ち負かすことのできる新たな候補を擁立することは難しくなる」と述べた。
イリノイ州やマサチューセッツ州を含む他の下院議員もバイデン氏に辞退を求めた。
バイデン氏はインタビューの中で、「認知機能テストを受け、その結果を公表することで、もう1期務めることが可能であると示してはどうか?」という質問を拒否した。
「私は毎日認知機能テストを受けています。凄まじい数の情報を処理し、決断する。私はこの国の大統領として、世界で厳しいテストを毎日受けているのです...」
この回答も撤退を要求する議員には届かなかったようだ。
政治専門サイト・ポリティコのインタビューを受けた議員のひとりは「バイデン大統領の答えを聞き、私を含む多くの国民が不安を覚えている」と語った。