◎ハイチの治安は2021年7月のモイーズ大統領暗殺と同年8月に西部で発生したM7.2の大地震で崩壊し、破壊と暴力が蔓延している。
米国とケニアが25日、防衛協定に調印した。
この協定により、ギャングの暴力に直面する中米ハイチに国連PKOを派遣する準備が整った。
米国のオースティン(Lloyd Austin)国防長官はケニアの首都ナイロビでドゥアレ(Aden Duale)国防相と会談し、協定に署名した。
両国はソマリアに拠点を置くイスラム過激派組織アルシャバーブとの戦いでも協力関係にある。
オースティン氏は国連ハイチPKOを主導すると志願したケニアに謝意を示し、「バイデン政権は国連総会の場で約束したこのPKOに関連する予算1億ドルを確保する」と強調した。
またオースティン氏はハイチの窮状について、「世界の他の国々もケニアのグローバルな安全保障へのコミットメントに倣い、より多くの人員、装備、支援、訓練、資金を提供すべきだ」と述べた。
ケニアは国連安全保障理事会の承認を得次第、ハイチに部隊を派遣する予定だ。
ドゥアレ氏は「ハイチへの派遣の準備はできている」と述べ、ケニアがコソボや隣国ソマリア、コンゴ民主共和国で世界的な平和維持活動をしてきた長い歴史があることを引き合いに出した。
一方、ハイチの人権活動家たちは同国における過去のPKO活動中に人権侵害があったとして、今回の派遣に懸念を表明している。
一部の安全保障アナリストは英語・スワヒリ語を話すケニア兵と、フランス語・クレオール語を公用語とするハイチの人々との間に言葉の壁が生じる可能性があると指摘している。