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▽マドゥロ氏はこの日、大統領就任式で3期目、6年の任期をスタートさせ、西側諸国の制裁に逆らい続けると誓った。
2025年1月10日/ベネズエラ、首都カラカス、マドゥロ大統領(AP通信)

米政府は10日、南米ベネズエラの高官8人に新たな制裁を科し、独裁者のマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領にかけている報奨金を2500万ドルに引き上げた。

マドゥロ氏はこの日大統領就任式で3期目、6年の任期をスタートさせ、西側諸国の制裁に逆らい続けると誓った。

ブリンケン(Antony Blinken)国務長官は声明で、就任式を「非合法」と非難。「米国はマドゥロをベネズエラの大統領と認めない」と改めて表明し、新たに政府高官ら8人を制裁リストに追加した。

これにより、国営石油会社のCEOや運輸相、警察や軍の関係者などが米国への入国を禁じられ、米国内で保有する資産を凍結された。

イギリスとEUも政府高官を含む15人を制裁リストに追加。カナダも新たな制裁を科した。

米財務省は声明で、「米政府はパートナーとともに、ベネズエラ国民による新たなリーダーシップへの投票に連帯し、マドゥロの不正な勝利宣言を拒絶する」と述べた。

マドゥロ氏とその側近たちは米国やその他の国々による制裁を全て拒否。ベネズエラを機能不全に陥れるための「経済戦争」に等しい非合法な措置と非難している。

ベネズエラの経済は米政府によるマドゥロ政権への厳しい経済制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

マドゥロ氏は全国放送された就任演説で、制裁について直接言及することなく、「米国の退陣する政府は我々に勝てない」と語った。

またマドゥロ氏は西側の制裁で苦境に立たされているにもかかわらず、「経済はこの数年で著しく回復している」と称賛した。

マドゥロ氏に忠誠を誓う選挙管理委員会は昨年7月の大統領選の集計結果を公表せず、マドゥロ氏が得票率51%で勝利したと宣言した。

しかし、野党陣営は全国の電子投票機が印刷した集計表の80%以上を確保・精査した結果、全野党の統一候補であるゴンザレス(Edmundo González)氏の得票数はマドゥロ氏に2倍以上の差をつけていたことが明らかになった。

米国やEUを含む数十カ国が選挙の勝者をゴンザレス氏と認定。選管に透明性のある集計結果を公表するよう呼びかけてきた。

しかし、最高裁判所は8月末、マドゥロ氏の勝利を認定。さらにカラカスの地方裁判所は9月、ゴンザレス氏が選挙結果を捏造し、暴動を煽ったなどとして逮捕状を発行した。

この結果、ゴンザレス氏はスペインへの亡命を余儀なくされた。

ゴンザレス氏は10日の就任式で宣誓すると表明していたが、実現しなかった。

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