米国、ベネズエラの「カルテル・デ・ロス・ソレス」を外国テロ組織に指定
カルテル・デ・ロス・ソレスはベネズエラ軍および政府高官に深く浸透した、麻薬密輸や違法採鉱などに関与する犯罪ネットワークを指す通称である。
.jpg)
トランプ米政権が24日、ベネズエラのカルテル・デ・ロス・ソレス(太陽のカルテルの意)を外国テロ組織に指定する。
これはベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領に対する圧力作戦のひとつである。
ルビオ(Maro Rubio)国務長官は今月、カルテル・デ・ロス・ソレスを外国テロ組織に指定すると予告。同組織を西半球における「テロ暴力の責任者」と呼んだ。
カルテル・デ・ロス・ソレスはベネズエラ軍および政府高官に深く浸透した、麻薬密輸や違法採鉱などに関与する犯罪ネットワークを指す通称である。
名前の由来は将校が制服に付けている太陽の階級章(ソル=太陽)から来ており、高級将校が関与していることを象徴している。
この組織は伝統的な麻薬カルテルのような中央集権型の構造を持つわけではなく、陸海空軍や国家警備隊といった各軍種にまたがる細胞ネットワークの集合体として機能している。
各部隊のメンバーがコロンビアの麻薬組織と協働し、支払いを受けて麻薬を密輸したり、レーダーを無効化して航空路を確保するなど、軍の力を利用して麻薬ルートを保証している。
さらにこの組織は麻薬取引だけでなく、不法採鉱(金やコルタンなど)、燃料密輸、マネーロンダリングなど多岐に渡る犯罪行為に関与しているとされる。
近年では米財務省がテロ組織として制裁対象に指定しており、マドゥロ氏や政権高官との関係も指摘されている。
ベネズエラ政府はこれを否定し、「実体のないレッテル」だと批判している。
米海軍の原子力空母ジェラルド・R・フォードは先週、ベネズエラ沖に到着した。
フォードを中核とする空母打撃群はこの海域で活動する部隊に合流。「麻薬密輸船」を取り締まる予定だ。
米海軍は9月、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害。その後、さらに19隻の麻薬密輸船を爆撃した。
一連の攻撃による死者は80人にのぼっている。
トランプ(Donald Trump)米大統領は麻薬カルテルと戦争状態にあると宣言し、それをテロ組織に指定することで、一連の攻撃を正当化してきた。
これはジョージ・W・ブッシュ政権がテロとの戦争に使用したのと同じ法的権限に基づいている。
トランプ氏は中央情報局(CIA)によるベネズエラ国内での作戦も承認。諜報任務とみられるが詳細は明らかになっていない。
