イラン暴動、米国が追加制裁発動、「残虐な弾圧」理由に
制裁対象には、イラン最高国家安全保障会議の書記や革命防衛隊(IRGC)、法執行機関の指揮官などが含まれるほか、悪名高いファルディス刑務所も指定された。
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米政府は15日、イラン国内で続く反政府デモに対する当局の「残虐な弾圧」を理由に、複数のイラン政府高官および関連組織に追加制裁を科したと発表した。制裁対象には、イラン最高国家安全保障会議の書記や革命防衛隊(IRGC)、法執行機関の指揮官などが含まれるほか、悪名高いファルディス刑務所も指定された。米財務省はこれらの人物・組織が抗議デモ参加者の殺害・弾圧に関与しており、国際金融ネットワークへのアクセスを遮断すると説明した。
今回の制裁措置はイラン全土で数週間以上続く抗議活動と、それに対する治安当局の激しい弾圧を受けたものである。抗議デモは当初、物価高騰や経済悪化への不満から始まったが、次第に反体制の色彩を強めて全国に広がった。人権監視団体の集計では、これまでに数千人の死者と1万8千人以上の逮捕者が出ているとされるが、正確な数字は情報統制や通信遮断により把握が困難な状況にある。
トランプ(Donald Trump)米大統領は制裁発表に先立ち、抗議デモに対する殺害行為が「止まったとの情報を受けた」と述べ、予定されていた抗議者の死刑執行も行われない見通しだと強調した。しかし、イラン当局は一貫してデモ参加者を暴徒と断じ、治安維持のための強硬措置を正当化している。これに対し国際社会からは強い懸念が寄せられている。
こうした中、国連安全保障理事会は米国の要請により緊急会合を開き、イラン情勢について議論した。EUやG7はイラン政府の暴力的な対応を非難し、更なる制裁強化の可能性に言及した。カナダやニュージーランドなど一部の国々は自国民にイランからの退避を促している。中国は外交的にイランを支持し、トルコは外国勢力の軍事介入に反対の立場を示した。
抗議運動の激化を受け、イランは一時的に自国領空を閉鎖し、多くの国際便が迂回を余儀なくされたが、その後封鎖を解除した。地域の緊張は依然として高く、米軍は中東の主要基地から一部人員を退避させるなどの予防措置を取っている。イラン政府は外国勢力が内政に干渉することに強く反発し、米国やイスラエルを非難している。
米国が今回の制裁を通じて示したメッセージは、抗議者の正当な要求を支持し、暴力的な弾圧には代償が伴うとの明確な立場である。今後、国際的な圧力やさらなる制裁の動きがイラン国内の政治・社会情勢にどのような影響を与えるかが注目される。
