米国26年1月求人件数695万件、市場予想上回るも勢い鈍く
26年1月の求人件数は25年12月の655万件から約40万件増加した。
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米労働省が13日に公表した求人労働異動調査(JOLTS)によると、2026年1月の求人件数は前月から増加し、約695万件となった。市場予想を上回る結果で、2025年後半から鈍化が指摘されていた労働市場に一定の底堅さを示す内容となった。一方で採用の勢いは依然として弱く、雇用環境の回復は限定的との見方が広がっている。
今回の統計では、26年1月の求人件数は25年12月の655万件から約40万件増加した。これはエコノミストの予想を上回り、昨年後半から続く求人減少の流れに一時的な歯止めがかかった形だ。求人率も4.2%に上昇し、企業側の労働需要が一定程度維持されていることが示された。
しかし、実際の採用数は529万件と前月からわずかな増加にとどまり、雇用の伸びは鈍い状態が続いている。25年の年間採用数は前年より約150万人減少するなど、企業の雇用拡大姿勢は慎重になっている。専門家は現在の労働市場を「低採用・低解雇」の状態と指摘し、企業が大規模な人員削減を避ける一方、新規採用にも消極的になっていると分析している。
また、労働者側の動きにも変化が見られる。自発的に離職する「退職者数」は約310万人とやや減少し、より良い仕事を求めて転職する動きが弱まっている。これは労働者が雇用の先行きに慎重になっていることを示している。
米国の労働市場はコロナ禍後の急速な雇用回復を経て、ここ1〜2年で勢いが鈍化している。25年の雇用増加は小幅にとどまり、26年2月には約9万2000人の雇用が減少するなど弱い統計も相次いでいる。失業率は4%台半ばで推移しているが、雇用の拡大力は低下している。
背景には高金利政策の長期化や政策の不透明感、人工知能(AI)の普及など複数の要因があると指摘される。企業は投資や人員計画に慎重になり、特にホワイトカラー職では求人の減少が見られる分野もある。さらに国際情勢やエネルギー価格の上昇なども企業活動に影響を与えている。
こうした状況から、一部のエコノミストは現在の米国労働市場を「雇用不況(ハイアリング・リセッション)」と表現している。求人は一定数存在するものの、実際の採用が進まず、求職者にとっては仕事を見つけにくい状態が続いているためだ。
今回の求人増加は前向きな兆しとも受け止められるが、労働市場全体の力強い回復を示すには至っていない。今後は景気動向や金融政策の行方が、企業の採用姿勢や雇用環境の改善を左右するとみられている。
