米国の求人件数650万件に減少、2020年以来の低水準に
米労働省が5日に公表した最新の求人・離職・労働力調査(JOLTS)によると、25年12月の求人件数は11月の690万件から約40万件減少し、2010年代半ば以降で最も少ない水準となった。
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米国の求人件数が2025年12月時点で650万件に減少し、2020年以来の最低水準となった。これは労働市場の停滞を示す指標として注目されている。米労働省が5日に公表した最新の求人・離職・労働力調査(JOLTS)によると、25年12月の求人件数は11月の690万件から約40万件減少し、2010年代半ば以降で最も少ない水準となった。今回の数値は事前の経済専門家による予想を下回る結果となった。
求人件数の減少は労働市場の需要が弱含んでいることを示している。求人数は労働需要の代表的な指標であるが、コロナ禍後の急激な回復期に比べると力強さを欠いている。2021~2023年にはいわゆる「採用ブーム」と呼ばれる状況で月間40万件前後の求人増加が続いていたが、直近では企業の求人活動が鈍くなっている。
一方で、労働者側の動きも変化が見られる。働き手が自ら職を辞める「離職者数」は約320万人で、11月からほぼ横ばい。労働者が次の仕事を見つけられるという自信のバロメーターとなるこの数値も大きく改善していない。解雇やレイオフの件数はわずかに増加しているものの、劇的な増加とはなっていない。
こうした求人件数の低迷は米経済に大きな疑問を投げかけている。成長率の指標である国内総生産(GDP)は25年第3四半期までの伸びが過去2年間で最も高い水準となるなど強さを見せているが、労働市場はその勢いに追いついていない現象が生じている。経済全体が拡大基調にある一方で、雇用の伸びは鈍く、雇用情勢と経済成長の間に乖離が生じている状況だ。
この乖離について経済専門家の間では見解が分かれている。一部はAI(人工知能)やオートメーションの進展により、企業が少ない人手で生産性を維持できるようになった結果、従来の求人需要が低下している可能性を指摘する。企業が自動化技術を積極的に導入することで、特に単純労働やルーティンワークの求人が減少し、人間労働への依存度が相対的に低下しているという分析もある。
また別の見方としては、労働市場の停滞が今後の消費や経済全体の減速を示す先行指標となる可能性もある。求人件数が長期的に低水準で推移すれば、労働者の所得や消費支出に影響が及び、最終的にGDP成長率の鈍化につながるとの警戒感も根強い。現時点ではまだ大規模な雇用削減の兆候は顕著ではないものの、今後の労働市場データの動向が注目される。
労働省はこれに先立ち、2026年1月の雇用統計を近日中に発表するとし、1月の雇用者数が増加するかどうかが労働市場の先行きを探る上で一つの焦点となっている。民間の給与処理企業ADPの速報でも、民間部門の雇用は予想を下回る伸びにとどまっているとの報告があり、労働市場は依然として厳しい状況にあるとの見方が強まっている。
