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米国2026年2月中古住宅販売改善、コロナ禍前の水準には届かず

全米不動産業者協会(NAR)が10日に公表した26年2月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)は409万戸となり、前月から1.7%増加した。
売り家の看板(Getty Images)

全米で中古住宅の販売が2月に持ち直した。住宅ローン金利の低下を背景に、購入を控えていた買い手が市場に戻り始めたためだ。ただ、住宅価格の高止まりや供給不足といった構造的な問題は続いており、市場の回復は依然として限定的とみられている。

全米不動産業者協会(NAR)が10日に公表した26年2月の中古住宅販売件数(季節調整済み、年率換算)は409万戸となり、前月から1.7%増加した。市場予想(約389万戸)を上回り、1月の落ち込みから回復した形となった。

住宅市場では、金利低下が需要回復の主な要因となった。30年固定住宅ローン金利は一時6.00%を下回り、2022年以来の低水準となったことで、購入を見送っていた層の需要が再び動き出したとされる。

地域別では、西部で販売が大きく増加したほか、南部や中西部でも増加した。一方、北東部では大雪の影響などで販売が落ち込んだ。

価格は引き続き上昇傾向にある。2月の中古住宅の中央値価格は39万8000ドルで、前年同月比0.3%上昇し、2月としては過去最高となった。価格の伸びは鈍化しているものの、住宅の高価格が購入の大きな障壁となっている。

在庫はやや改善している。販売可能な中古住宅は約129万戸で前月から増加したが、販売ペースで換算すると供給は約3.8カ月分にとどまり、コロナ禍前の水準には依然として届いていない。供給不足は価格上昇圧力を残す要因となっている。

また、2月の購入者のうち初めて住宅を買う層は34%と、約5年ぶりの高水準となった。住宅の購入可能性がやや改善したことを示す一方、健全な市場には40%程度が必要とされており、依然として十分とは言えない。

米住宅市場は2022年以降、急速な金利上昇と価格高騰の影響で低迷が続いてきた。現在の販売ペースは年率約400万戸前後で、長期的な平均とされる約520万戸を大きく下回っている。

専門家は、金利低下が続けば春の住宅購入シーズンに向けて取引が徐々に回復する可能性があるとみる。ただし、地政学的緊張などを背景に金利が再び上昇する可能性もあり、住宅市場の回復は不安定な状況が続くとみられている。

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