米国の失業保険申請件数19万件に減少、雇用弱含み続く
申請数は前週の21万8000件から大きく減少し、アナリストの予想を下回った。
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米国における新規の失業保険申請件数が19万1000件となり、2022年9月以来の低水準を記録した。現地メディアが4日に報じた。
申請数は前週の21万8000件から大きく減少し、アナリストの予想を下回った。
この数字は企業の「雇い止め(レイオフ)」が比較的抑えられている可能性を示す。先ごろ大手企業で解雇や人員削減のニュースがあったものの、こうした動きが統計に反映されるには時間がかかると指摘されている。
現在の米労働市場は「採用控え・解雇控え(low-hire, low-fire)」の状態にあるとされており、失業率は低水準ながら、仕事を失った人が新たな職を得にくい状況が続いている。
ただし、今回の申請件数の減少は感謝祭の休暇によって申請が遅れた可能性があるとの指摘もある。つまり、必ずしも“職を失う人が大幅に減った”と断定できるわけではない。
一方で、民間の給与支払い処理会社によると、11月の民間部門の雇用は3万2000人減と予想外に弱く、これは職探し中の人々にとっては厳しい見方である。
また物価上昇率はFRBの目標である2%を上回っており、来週公表されるインフレ指標とあわせて、利下げの是非が注目されている。今回の失業保険申請の急減が利下げ判断にどこまで影響するかは流動的だ。
なお、過去2週間の政府閉鎖による統計遅延で発表が遅れていた9月の雇用データによると、その時点で雇用は増えていたが、8月には減っていた。失業率は4.4%で4年ぶりの高水準となっている。
総じて言えば、今回の19万1000件という申請数の急減は、米雇用市場の底堅さを示す可能性があるが、休暇による申請の先送りや、雇用環境の停滞といった要因もあるため、今後のデータの動向に注目が必要だ。
