◎冒頭の長い挨拶の後、アメリカの代表団は、中国が会談の議定書に違反して無駄に長い開会の辞を述べたと非難した。
2021年3月18日/米アラスカ州アンカレッジ、米中の外交トップが会談した(ロイター通信)

3月18日、米アラスカ州アンカレッジで米中外交トップ会談が開催された。

両国の外交トップは世界のメディアの前で1時間以上激しく打ち合い、非公開会談がさらに困難になることを示唆した。

両国はチベット、香港、台湾、新疆ウイグル自治区、貿易、南シナ海、サイバー攻撃、コロナウイルスなど、様々な問題で激しく対立しており、新冷戦の様相を呈している。

アントニー・ブリンケン国務長官は冒頭の挨拶で、「アメリカは新疆ウイグル自治区、香港、台湾の人権問題、アメリカに対するサイバー攻撃、同盟国に対する乱暴な対応など、中国の行動と問題について話し合いたいと思っています」と述べた。

「これらの問題は世界の安定を維持する規則と秩序を脅かしており、今日、ここで問題提起しなければならないと感じていました

これに対し楊潔煥(ヤン・チエチー)外交部長は、「アメリカは他国を抑圧するために、その軍事力と財政的優位性を利用しています」と応戦した。

「アメリカは国家安全保障の概念を乱用して貿易交流を妨害し、中国を攻撃するよう同盟国に働きかけています」

またヤン外交部長はアメリカの人権は低水準であり、黒人を虐殺していると挑発した。この発言にジェイク・サリバン外交補佐官は、「アメリカは常に自国民と友人のために合衆国憲法と人権の原則を尊重しています」と答えた。

サリバン外交補佐官は、「アメリカは中国との紛争は求めていませんが、激しい競争は歓迎します」と述べた。

冒頭の長い挨拶の後、アメリカの代表団は、中国が会談の議定書に違反して無駄に長い開会の辞を述べたと非難した。

「中国の代表団は...メディアの前で自分たちの主張をアピールしたかったです...私たちは計画通りに会談を続けます。中国の誇張された外交プレゼンテーションは(中国)国内の聴衆を意識しているのでしょう」

これに対し中国の代表団は、議定書に違反して開会の辞の時間をオーバーしたのは中国ではなくアメリカだと反論した。

2021年3月18日/米アラスカ州アンカレッジ、中国の楊潔煥 外交部長(ロイター通信)

ブリンケン国務長官はヤン外交部長に、「中国は独自の民主主義を他国に押し付け、抑圧しています」と指摘した。

これに対しヤン外交部長はアメリカの人権問題を厳しく非難したうえで、「自国の問題に悩まされているアメリカが他国の民主主義の問題に口をはさむべきではない」と応戦した。

「アメリカは人種差別を推進する誤った民主主義を世界に広めており、私たちはそのような行いは今すぐやめるべきだ信じています。アメリカの市民は、アメリカの民主主義にほとんど自信を持っていません」

「中国はアメリカの不当な非難を受け入れません。アメリカは前例のない困難な時期に私たちとの関係を悪化させ、両国の利益を傷つけました。中国を絞め殺す方法はありません」

ブリンケン国務長官は15分以上続いたヤン外交部長のロングスピーチに困惑の表情を浮かべたが、日本と韓国の外交トップとの会談を引き合いに出し、応戦した。

「私たち(日米韓)はこの問題に関与できることに深い満足を感じています。私は先ほど申し上げた通り、あなたたちのいくつかの行動に深い懸念を抱いています」

ジョー・バイデン大統領は、ドナルド・トランプ前大統領の下で取られた中国に対する強硬な姿勢を見直すか、または見直す意思があるかどうかをまだ示していない。

会談の前日、ブリンケン国務長官は、香港の民主活動家を打ち負かした共産党指導部の弾圧に対する新たな制裁措置を発表した。

これに対し中国当局は内政干渉に反対するレトリックを強化したうえで、アメリカに熱いメッセージを送った。

「これ(制裁措置)は中国との取引で何らかの優位性を得ようとするアメリカの新たな試みですか?アメリカは自国の脆弱性と弱点を隠したいと考え、誤った措置を取っています。内政干渉が中国の立場を揺るがすことはありません。もちろん、両国の問題の解決にもつながりません」

2021年3月18日/米アラスカ州アンカレッジ、アメリカのジェイク・サリバン外交補佐官(ロイター通信)
アフィリエイト広告
スポンサーリンク