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米国における小児・青少年の肥満率が過去最高を記録 2026年

これはCDCの国民健康栄養調査(NHANES)に基づくもので、身長と体重の実測データを1960年代から収集している。
体重測定のイメージ(Getty Images)

米国で子どもの肥満率が過去最高を記録した一方、成人の肥満傾向は鈍化の可能性があるとの報告が、疾病対策センター(CDC)の最新データで明らかになった。これはCDCの国民健康栄養調査(NHANES)に基づくもので、身長と体重の実測データを1960年代から収集している。同調査の結果をまとめた2つの報告書が25日に公表された。

まず成人についての報告では、2021年8月から2023年8月までの期間において、20歳のうち40.3%が肥満(BMIが基準値以上)と判定され、このうち9.7%が重度肥満の範囲にあたる。また31.7%が「過体重」と分類された。これは1988~1994年に比べて肥満割合が大幅に増加しているものの、2017~18年の42.4%という過去最高値からはわずかに低下している。この点について、専門家はこれまで数十年にわたり肥満率が継続的に上昇傾向にあったが、今回のデータはその上昇が止まり、場合によっては若干の減少を示している可能性があると指摘している。ただし、これは標本抽出の影響である可能性もあり、長期的な傾向かどうかは今後のデータを待つ必要があると専門家は述べている。報告書は公衆衛生政策や健康的な生活習慣への教育、GLP-1受容体作動薬と呼ばれる新しい体重管理薬の普及がこの鈍化に影響している可能性を示唆している。GLP-1薬はインスリン分泌を促進するとともに満腹感を増し、食欲を抑える効果があり、糖尿病治療薬として広く使われているが、近年体重減少効果が注目され使用が拡大している。

一方、子どもと若者(2~19歳)に関する報告では、調査期間のデータから21.1%が肥満であると判定され、過去最高の数値となった。1971~1974年の調査では肥満率は5.2%にすぎず、過去50年間で大幅に増加している。また7%の子どもが重度肥満に該当し、こちらも過去の1%から大幅に上昇している。栄養学の専門家であるデイビッド・ルードウィッグ(David Ludwig)氏は、1970年代には肥満の子どもはまれであり「20人に1人」程度だったと指摘し、現在は5人に1人という深刻な状況になっていると述べた。特に2~5歳の幼児では一時期肥満率が低下した時期があったものの、その後再び上昇し現在は14.9%に達している。

専門家は子どもの肥満傾向を抑えるには、幼児期にはより健康的な食生活の定着、6~11歳児には生活習慣の改善と必要に応じて薬物治療、12歳以上には薬物治療や肥満手術などの選択肢も考慮すべきだとしている。特に12~19歳の肥満率は約23%と高く、積極的な介入が必要だと説明している。

CDCのデータは米国における肥満問題が子ども世代で一段と深刻化していることを示す一方、成人に関してはこれまでの一方向的な増加傾向がいったん緩やかになる兆しが見えるとして、今後の健康政策や医療のあり方に新たな視点を提供している。

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