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米国の失業保険申請件数23.1万件に急増 2026年1月

この数字は労働省が毎週発表している「初回失業保険申請件数」に基づくもので、一般に解雇動向の先行指標とされている。
求人募集の看板(Getty Images)

米国労働省が5日に発表した最新の週次失業保険申請件数によると、1月31日までの週に新規に失業給付を申請した件数は23万1000件となり、前週比で2万2000件増加した。この数値は直近2カ月で最多となる。ただし、過去数年と比較すると依然として歴史的に低い水準にとどまっている。

この数字は労働省が毎週発表している「初回失業保険申請件数」に基づくもので、一般に解雇動向の先行指標とされている。当該週の申請件数は市場予測の21万1000件を大きく上回った。失業保険の申請件数は企業による人員整理や雇用情勢の変化をほぼリアルタイムで反映する重要な指標と考えられている。

過去1年にわたり、UPSやアマゾン、ダウなど大手企業が相次いで人員削減を発表し、景気全般に対する懸念が高まっている。特に先週、有力紙ワシントン・ポストが従業員の3分の1を削減し、スポーツ欄や複数の海外支局、書籍関連の取材部門などを廃止すると発表した。同社の全従業員数は公表されていないため、正確な解雇規模は不明だが、労働市場への影響が懸念されている。

一方で、米国経済全体の雇用情勢をみると、雇用の伸びは鈍化している。25年12月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数は5万人増にとどまり、前月からほぼ横ばいとなった。一方、失業率は4.4%に低下、これは25年6月以来の低さであり、雇用の停滞と均衡のとれた状態を示している。1月の雇用統計は政府の一部機関閉鎖の影響で発表が遅れている。

2025年通年でみると、米国経済は58万4000人の雇用増にとどまり、月平均約5万人という低調な数字となった。これは2024年に比べ大幅な減少、2024年には年間で200万人以上の雇用が創出されていた。2025年の雇用増はコロナ禍以降では最少規模で、景気後退期を除けば2003年以来の低水準という評価もある。

また、労働省は25年11月の求人件数が前月から減少していることも報告している。企業と政府機関による求人件数は710万件にとどまり、10月の740万件から減少した。求人が伸び悩んでいることは、企業が景気の先行きに慎重になっていることを示している。

こうした雇用市場の弱さを背景に、連邦準備制度理事会(FRB)は昨年末、主要政策金利を3回連続で0.25ポイント引き下げた。しかし、直近の会合では経済見通しの改善や労働市場の安定を理由に金利据え置きを決定している。

失業保険申請件数の4週移動平均は、週ごとの変動をならす指標として用いられ、最新週では6000件増の21万2250件となった。また、1月24日までの週に継続して失業給付を申請した件数は184万件となっている。

全体として、失業保険申請件数の増加は労働市場の緩みを示す一方で、歴史的な低水準の範囲内で推移していることから、景気や雇用環境に対する慎重な見方が広がっている。

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