米国失業保険申請件数20.6万件、解雇件数は低水準を維持 2026年2月
失業保険の新規申請件数は一般に解雇件数の先行指標として用いられ、雇用情勢の“リアルタイム”な動きをとらえる指標とされる。
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米労働省が19日に発表した最新の週間失業保険申請件数によると、2月14日までの1週間に新たに失業保険を申請した件数は約20万6000件となった。これは前週から2万3000件減少した数字で、市場予想の22万5000件を大きく下回った。申請件数の減少は企業による解雇が依然として抑えられていることを示し、労働市場の底堅さを反映しているとみられている。
失業保険の新規申請件数は一般に解雇件数の先行指標として用いられ、雇用情勢の“リアルタイム”な動きをとらえる指標とされる。今回の数値は歴史的に見ても比較的低い水準で推移しており、労働市場で大規模な人員削減が起きていないことを示唆している。
また、季節調整された4週間平均も前週比1000件減の21万9000件となり、短期的な変動をならす指標でも低水準が維持された。これも解雇件数が一時的な増減に左右されず、概ね安定していることを示している。
一方で、2月7日までの週に失業保険の受給を継続して申請した人数は187万人に増加、前週から1万7000人増えた。継続受給者数の増加は、失業状態が長引いたり、再就職に時間がかかる求職者が増加している可能性を示す側面もあるため、労働市場の健康度を判断するうえで注視される指標の一つである。
こうしたデータは、1月の雇用統計とも呼応する部分がある。労働省が先日発表した統計では、非農業部門雇用者数が予想を上回る13万人増加し、失業率は4.3%に低下した。しかし、2024~25年の雇用増加数は政府の修正で大幅に下方修正され、雇用の伸びの鈍化が浮き彫りになっている。これは雇用者数全体の増減が緩やかである一方、求人件数の減少や再就職の難しさを映し出している可能性がある。
経済専門家の間では、今回の失業保険申請件数の減少が労働市場の本格的な回復を示すのかについて見解が分かれている。一部の分析では、解雇件数が低い水準で安定していることは景気の下支え材料と評価される一方で、求人の減少や高い継続受給者数は、企業の採用意欲が依然として弱いことを示しているとの指摘もある。また、高金利が企業の投資や雇用拡大を抑制している可能性も指摘されている。
このように、米国の労働市場には強さと弱さの両面が存在している。新規失業保険申請件数の低水準は解雇が抑えられていることを示す一方で、雇用全体の動きや求人の減少といった動向は、今後の景気動向を占ううえで重要なポイントとなる。
