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米軍がイランへの攻撃強化、紛争終結の目途立たず

米国は10日、イラン国内の軍事拠点や兵器施設に対する空爆を続け、これまでに5000以上の目標を攻撃したとされる。
2026年3月10日/レバノン南部郊外、イスラエル軍の空爆(AP通信)

米国とイランの軍事衝突が激化し、双方が強硬姿勢を崩さないまま戦闘は長期化の様相を強めている。2月末に始まった戦闘は10日以上が経過、停戦や交渉再開の見通しは立っておらず、中東全域に緊張が広がっている。

米国は10日、イラン国内の軍事拠点や兵器施設に対する空爆を続け、これまでに5000以上の目標を攻撃したとされる。米軍はミサイル発射施設やドローン工場、海軍基地などを重点的に攻撃し、イランの軍事能力の弱体化を図っている。トランプ政権は作戦をさらに強化する方針を示しており、ヘグセス(Pete Hegseth)国防長官が「これまでで最も激しい攻撃の日になる可能性がある」と述べるなど、軍事圧力の継続を強調している。

これに対しイランも報復を続け、ミサイルや自爆ドローンによる攻撃をイスラエルや湾岸諸国、米軍基地に向けて実施している。アラブ首長国連邦(UAE)では攻撃による死者も確認され、地域各地で被害が報告されている。さらにイランは世界の石油輸送の要衝であるホルムズ海峡の封鎖を継続し、エネルギー市場にも大きな影響を与えている。

ホルムズ海峡は世界の海上石油輸送の約2割が通過する重要な航路であり、戦闘の拡大は世界経済にも波及している。戦争開始以降、原油価格は急騰し、海運会社や石油企業が航路変更を余儀なくされるなど、物流やエネルギー供給に混乱が広がっている。

今回の戦争は米国とイスラエルによるイラン国内への大規模攻撃をきっかけに始まり、最高指導者の殺害で沸点に達した。イラン側は革命防衛隊(IRGC)を中心に戦時体制を強化、新指導部の下で持久戦の構えを見せている。専門家は、イランがエネルギー供給の混乱や地域紛争の拡大を通じて米国側の政治的・経済的負担を高める戦略を取っていると指摘する。

一方、トランプ(Donald Trump)米大統領はイランが石油輸送を妨害すれば「壊滅的な結果を招く」と警告し、圧力を強めている。ただ、双方ともに決定的な優位を得ておらず、死者はイランやレバノン、イスラエルなどで1000人を超えた。

軍事衝突は地域の武装勢力や周辺国を巻き込みながら拡大する恐れもあり、国際社会では緊張緩和を求める声が高まっている。しかし、米国とイランの対立はむしろ強まり、戦闘がいつ終結するのか見通せない状況が続いている。

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