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米運送大手UPS、最大3万人の人員削減を検討

UPSはこの他にも、2026年前半に24の施設を閉鎖する計画を進めており、さらに追加の施設閉鎖を検討しているという。
米運送会社ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)の運搬車(Getty Images)

運送大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が2026年中に現場業務の人員を最大3万人削減する方針を明らかにした。この計画は27日に発表された四半期決算後のアナリスト向け電話会議でCFOが説明したものである。

それによると、今回の人員削減は主として退職と全職ドライバーを対象とする2度目の自主退職優遇制度によって実施される予定、強制解雇ではなく自発的退職の促進を基本方針としている。

UPSはこの他にも、2026年前半に24の施設を閉鎖する計画を進めており、さらに追加の施設閉鎖を検討しているという。これらのネットワーク再編と現場人員削減は効率性向上とコスト削減を目指した広範な企業再構築計画の一環である。

今回発表された削減規模は2025年に実施された人員整理の延長線上にある。2025年には約3万4000人のオペレーショナル職と約1万4000人の管理職を含む合計4万8000人の削減が行われた。

UPSがこのような大規模な人員削減に踏み切る背景としては、最大の取引先であったアマゾン(Amazon)との関係性の縮小がある。同社は長年アマゾンの配送業務を取り扱ってきたが、近年その取引量が急激に減少し、ネットワーク全体の負担と利益率に影響を及ぼしている。UPSは2025年1月に発表した合意に基づき、アマゾンの配送量を2026年後半までに50%以上削減する方針を打ち出している。

この縮小により、UPSは年間で約250万時間分のオペレーショナル作業が減少すると見込んでおり、これが人員調整の必要性につながっていると説明されている。さらに同社は配送と仕分けセンターにおける自動化技術の導入を加速し、効率性を高める方針も示している。

UPSはこうした一連の改革を含む再構築計画が「企業の長期的な安定性と収益性向上に寄与する」と強調。2026年を「企業にとっての転換点」と位置づけている。投資家らの反応は比較的好意的で、発表を受けてUPSの株価が上昇する場面も見られた。

一方で、この大規模削減は従業員および労働組合にとって大きな懸念材料でもある。特にドライバーや現場作業員に対しては、今後の配置転換や労働条件への影響が注視されている。労組は自主退職制度の拡大に対して批判的な見解を示しているとの報道もある。

UPSは約49万人の従業員を擁する巨大企業であり、今回の人員削減は米国の物流業界全体における構造変化を象徴する出来事として受け止められている。配送需要の変動、主要顧客との関係見直し、そして自動化といった複数の要因が重なり、業界全体の雇用構造にも長期的な影響を与える可能性がある。

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