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複数の女性に薬物投与し強姦、大学院生起訴 米カリフォルニア州

検察によると、被告が8件の罪で罪判決を受けた場合、最大で81年の懲役刑に処される可能性があるという。
パトライトと規制線5(Getty Images)

カリフォルニア州で複数の女性に薬物を投与し、強姦したとして、南カリフォルニア大学の大学院生が起訴された。現地メディアが15日に報じた。

それによると、中国国籍のスティーブン・ウェン(本名:Sizhe Weng、30歳)は8月28日に逮捕されたという。

ロサンゼルス郡地方検事局は声明で、「被告は強姦や薬物・麻酔の投与による性交を含む8件の罪で起訴され、無罪を主張している」と明らかにした。

被告は保釈なしの拘留状態にある。

警察によると、捜査官は今年1月、ドイツ当局から「ロサンゼルスで女性に薬物を飲ませたうえで強姦した男がいる」という情報を入手し、捜査を開始した。

ロサンゼルス郡警察は15日付けの声明で、「ウェンの住居から押収された証拠は、2021年から2025年にかけて複数被害者に対する薬物による性的暴行への関与を裏付けている」と述べた。

それによると、被告は被害者の飲食物に薬物を混ぜていたとされる。

被告は2021年に南カリフォルニア大学に入学した。

検察によると、被告が8件の罪で罪判決を受けた場合、最大で81年の懲役刑に処される可能性があるという。

米国でこのような「レイプドラッグ」事件は珍しくない。レイプドラッグは被害者の意識を低下させたり、記憶を曖昧にしたり、抵抗を困難にする作用を持つ。

代表的なものに、γ-ヒドロキシ酪酸(GHB)、ロヒプノール(フルニトラゼパム)、ケタミンなどがある。多くの場合、これらの薬物は無味無臭で、アルコール飲料に混入されても気づきにくい。

加害者はクラブ、バー、パーティーなどの場で被害者の飲み物に薬を混ぜ、意識を失わせた上で性的暴行に及ぶ。米国ではこのような犯罪を「ドラッグ・ファシリテイティッド・セクシャル・アサルト(DFSA)」と呼び、深刻な社会問題とされている。

警察や保健機関は予防啓発活動を行っており、被害防止のために飲み物の管理や周囲への注意が呼びかけられている。

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