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▽トランプ氏はマドゥロ大統領が政治改革を行わず、移民問題でも必要な対策を講じていないと非難してきた。
トランプ米大統領とベネズエラのマドゥロ大統領(AP通信)

トランプ米政権が南米ベネズエラの石油事業に対する圧力を強化する一方、米石油大手シェブロンによるベネズエラ産石油の輸出許可期間を延長した。

財務省は24日の声明で、シェブロンに対するベネズエラ産石油輸出ライセンス期間を5月27日まで延長すると明らかにした。

トランプ(Donald Trump)大統領は今月初め、シェブロンによるベネズエラ産石油のライセンスを打ち切ると発表。4月3日までにベネズエラからの輸出を停止する必要があった。

財務省はシェブロンに猶予を与える一方、「ベネズエラの石油・天然ガスを購入する全ての国は今後、米国との貿易で25%の追加関税を支払うことになる」と警告した。

シェブロンは国営石油会社PDVDAが筆頭株主である共同事業体(JV)を通じてベネズエラに進出。世界最大の石油埋蔵量を誇る油田を開発してきた。

一方、トランプ氏はマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領が政治改革を行わず、移民問題でも必要な対策を講じていないと非難してきた。

シェブロンの延命はトランプ氏が新たな関税政策を発表した数時間後に行われた。トランプ氏はベネズエラが非常に暴力的な性質を持つ数万人の移民を米国に送り込んでいると非難した。

ベネズエラは世界最大の石油埋蔵量を誇り、かつては南米最大の経済大国であった。しかし、その経済は米政府による制裁とマドゥロ氏の後先考えないバラマキ政策で急速に悪化。GDPはマドゥロ氏が就任した2013年以降、右肩下がりとなり、2021年には10年前の2割以下に落ち込んだ。

現在のGDPはピーク時の4分の1となり、その結果、800万人近くが国外に流出。その多くが他の中南米諸国を経由して米国への移住を目指している。

近年米国に流入した移民の大半がベネズエラ人である。その多くが長引く経済・政治危機に不満を募らせ、母国を離れた人々だ。

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