◎トランプ氏は2016年の大統領選出馬から在職中、一度も納税申告書を公開せず、批判を上げてきた。
米最高裁は22日、財務省に対し、トランプ(Donald Trump)前大統領の納税申告書を下院金融委員会に開示するよう命じた。
民主党が支配する下院は2019年からトランプ氏に申告書を開示するよう要求してきた。
トランプ氏は2016年の大統領選出馬から在職中、一度も申告書を公開せず、批判を上げてきた。
2024年の大統領選に出馬を表明したトランプ氏は、自身のビジネスに関する複数の告発と捜査に直面している。
最高裁は22日、控訴裁の判決を支持し、下院金融委員会に申告書を開示するよう命じた。
報道によると、開示に反対した判事はいなかったという。
この決定により、財務省はトランプ氏とその事業の一部(トランプ・オーガナイゼーション関係)の2013年~2018年の申告書を委員会に開示できるようになった。
共和党は中間選挙で民主党から下院の多数派を奪還したものの、新体制移行前(来年1月)に開示が決まった。
トランプ氏は今年、2つの訴訟で保守派が多数派を占める最高裁で敗訴している。保守派判事3人はトランプ政権時代に就任した。
最高裁は先月、FBI(連邦捜査局)によるトランプ邸「マー・ア・ラゴ」の家宅捜索事件に関する法廷闘争について、トランプ側の訴えを退けた。FBIはトランプ氏が機密文書を不適切に扱った可能性があるとみている。
今年1月にはトランプ支持者による議会襲撃を調査する下院委員会に関する訴訟でもトランプ側の訴えを退けた。
トランプ氏は下院金融委員会の調査を「政治的動機によるもの」と非難している。ワシントンD.C.の控訴裁判所は昨年、同委員会には申告書を確認する権利があると裁定した。
同委員会は財務省がトランプ氏の財務状況を適切に監査しているかどうかを判断するために、申告書を確認する必要があると主張してきた。
同委員会は判事に対し、「トランプ氏の拒否は連邦議会による政府・司法の監視の妨害にあたる」と指摘していた。