◎トランプ氏は不正行為を否定し、マー・ア・ラゴにある文書はすべて機密解除されたものとしている。
トランプ(Donald Trump)前大統領の弁護団は22日、フロリダ州の裁判所に書簡を提出し、家宅捜索で押収された文書を保護するよう求めた。
書簡によると、弁護団はFBI(連邦捜査局)がトランプ氏の豪邸「マー・ア・ラゴ」から押収した文書が不正利用されないよう監督する独立した弁護士(主事)を任命するよう判事に求めた。
FBIは今月8日、トランプ邸を家宅捜索し、11組の機密文書を押収した。FBIはトランプ氏が最重要機密を含む機密文書を不正に取り扱った可能性があるとみている。
トランプ氏は不正行為を否定し、マー・ア・ラゴにある文書はすべて機密解除されたものと主張した。
トランプ氏の弁護団は書簡の中で、「司法省は民主党政権に役立つ文書か、トランプ大統領の再出馬を阻止する努力を支援するために、テントの下にラクダの鼻を突っ込んだ」と非難した。
トランプ氏はFBIが捜索令状に記載されていない財産を「盗んだ」と主張し、速やかに返却するよう求めている。FBIはこれを否定しているが、トランプ氏の支持者はFBIを盗賊と呼び、バイデン政権を非難している。
弁護団は押収された11点の機密文書が悪用されたり、民主党寄りの不正な機関に流れないよう、中立的な主事を立てるようフロリダ州裁判所に要請した。
司法省は22日、「当局はトランプ氏の訴えを認識しており、法廷で対応する」と短い声明を発表した。
司法省報道官は声明で、「マー・ア・ラゴの令状は連邦裁判所によって許可されたものだ」と述べている。
一方、ニューヨーク・タイムズ紙は22日、FBI捜査官はこれまでに、「CIA(中央情報局)、国家安全保障局、FBIが関連する資料を含む300以上の機密文書を今回押収した文書で確認した」と報じた。
しかし、トランプ氏本人と支持者は家宅捜索を民主党の謀略と非難している。
弁護団が提出した書簡によると、「ドナルド・J・トランプ大統領は2024年の共和党大統領予備選および大統領選において、彼が出馬を決めた場合、最有力候補であることに間違いない」という。
また弁護団は、「法執行機関は米国民を守る盾であり、政治目的のために利用されてはならない」としている。
弁護団はこう述べている。「FBIによるマー・ア・ラゴへの衝撃的な攻撃は、ほとんどの米国民に耐えがたい苦痛を与えました」
さらに弁護団はバイデン政権が家宅捜索を正当化するために、好意的な左翼メディアに情報をリークしていると主張した。
さらにさらに、「トランプ大統領はFBIの捜査に協力していたが、民主党はそれを妨害した」と主張している。
弁護団は「令状が過度に装飾され、不当な捜索や押収から米国民を保護する合衆国憲法修正第4条に違反した」としている。
▽米国憲法修正第4条:不合理な捜索および逮捕押収に対し、身体、住居、書類および所有物の安全を保障される人民の権利は、これを侵害してはならない。
弁護団によると、家宅捜索から3日後、トランプ氏は6月にマー・ア・ラゴを訪れたFBI捜査官に連絡を入れ、ガーランド(Merrick Garland)司法長官に個人的なメッセージを渡したいので協力してほしいと依頼したという。
トランプ氏は弁護団が提出した書簡の中で、「襲撃を非難する声を全米で聞いた」と述べている。「現在の米国民の気分を表す最も適切な言葉は怒りです。全国民が怒っています...」
「熱は高まっています。圧力も高まっている。熱を下げるため、圧力を下げるため、私にできることがあれば何でも言ってくれ!」
前大統領の歴史的な家宅捜索を承認したフロリダ州判事は、令状の宣誓供述書を公開するよう求める訴えの答えをまだ出していない。
一部のメディアや共和党関係者は現在、令状取得に必要な宣誓供述書の開示をフロリダ州裁判所に請求している。司法省はこれに深刻な懸念を表明し、それを開示すればFBIの捜査に取り返しのつかない損害を与える可能性があると警告した。
フロリダ州裁判所は22日、宣誓供述書の修正案はあまりにも膨大かつ広範囲にのぼり、公開しても意味がないと述べたものの、この事件に対する国民の関心を考慮すると、完全に非公開にしておくべきではないという認識を示した。