◎トランプ氏は召喚に応じない場合、刑事責任を問われる可能性がある。
2022年6月13日/ワシントンD.C.議会議事堂、2021年1月6日のDC暴動事件の下院公聴会(Susan Walsh/AP通信)

昨年1月の議会議事堂暴動を調査する下院委員会は21日、トランプ(Donald Trump)前大統領に証言を命じる召喚状を発行した。

召喚状にこう書かれている。

「あなたは最初で唯一の大統領選を覆す努力の中心にいました」

「あなたはこの活動が違法で違憲であることを認識していました」

トランプ氏の弁護士は民主党と委員会を非難し、「米国の民主主義は地に落ちようとしている」と主張した。

トランプ氏はこの調査を「魔女狩り」と呼び、来月の中間選挙でバイデン政権の「惨状」から有権者の目をそらすための策略と非難している。

トランプ氏は召喚に応じない場合、刑事責任を問われる可能性がある。同氏は11月4日までに委員会に文書を提出し、11月中頃に予定されているに公聴会で証言しなければならない。

トランプ氏がこれを拒否した場合、委員会は司法省に議会侮辱罪として問題提起し、刑事訴訟に発展する可能性がある。

大統領経験者に対する前代未聞の召喚状はトランプ氏の元顧問兼戦略家であるバノン(Steve Bannon)被告がが議会侮辱罪で6500ドルの罰金と4カ月の実刑判決を受けた数時間後に発出された。

バノン氏は委員会での証言や文書の提出を拒否した結果、有罪判決を受けた。

トランプ氏のもうひとりの側近ナバロ(Peter Navarro)被告も召喚に応じなかったとして来月法廷に立つ予定である。

超党派で構成される下院委員会は昨年1月6日にトランプ支持者が起こした議会襲撃事件を調査している。

委員会は、「トランプ氏は2020年の大統領選の結果を拒否するよう支持者を煽り、バイデン(Joe Biden)氏の当選認定を阻止するために議会を襲撃するよう仕向けた」と説明している。

トンプソン(Bennie Thompson)議長とチェイニー(Liz Cheney)副議長は召喚状に添付された書簡の中で、「委員会はあなたが個人的に2020年の大統領選を覆すための複数な取り組みを指揮・監督したという圧倒的な証拠を、あなたの側近やスタッフ数十名から集めた」と述べている。

「あなたは60以上の裁判所があなたの選挙詐欺の主張と2020年の大統領選の合法性に対するその他の挑戦を却下する判決を下したにもかかわらず、また司法省とあなたの上級選挙スタッフからあなたの選挙の主張が虚偽であることを知らせる具体的かつ詳細な情報を得たにもかかわらず、さらに大統領として我が国の法律を忠実に執行することを保証する義務があったにもかかわらず、行動しました」

トランプ氏の弁護団は21日、民主党と委員会と召喚状を非難した。

11月の中間選挙で共和党が下院の多数派を奪還すれば、この委員会は解散されることになるだろう。最新の世論調査によると、民主党は劣勢に立たされている。

委員会の共和党トップであるチェイニー議員は8月の予備選でトランプ氏が支持する候補に敗れ、1月に退任する予定だ。同じく同委員会の共和党委員であるキンジンガー(Adam Kinzinger)議員もライバル候補に敗れている。

2021年1月6日/ワシントンD.C.議会議事堂、暴徒の襲撃に備える議員たち(Getty Images/AFP通信/PAメディア)
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