▽ウクライナと他の欧州諸国はトランプ氏がウクライナに不利な形でロシアと取引するのではないかと懸念している。
とトランプ前大統領(AP通信).jpg)
トランプ米政権の高官が数日中にサウジアラビアを訪問し、ロシア・ウクライナ戦争の和平交渉について協議を開始する予定だ。米メディアが15日に報じた。
トランプ(Donald Trump)大統領は12日、プーチン(Vladimir Putin)大統領と電話会談し、ウクライナ戦争終結に向けた交渉を直ちに開始することで合意したと発表した。
これにより、ウクライナ問題でロシアを孤立させようとする西側の3年間の努力は突然打ち切られた。
ウクライナと他の欧州諸国はトランプ氏がウクライナに不利な形でロシアと取引するのではないかと懸念している。
AP通信はこの計画に詳しい関係者の話しとして、「ルビオ(Marco Rubio)国務長官やウォルツ(Mike Waltz)国家安全保障担当補佐官らがサウジを訪問し、この問題についてロシア当局者と協議する予定」と報じた。
ロイター通信もサウジで高官級の会合が予定されていると報じた。
ロシア外務省は15日、ラブロフ(Sergey Lavrov)外相とルビオ氏が電話会談を行ったと発表した。
ロシアは2022年2月にウクライナに侵攻。ウクライナの約5分の1の領土を占拠している。
ロシアは以前、和平が成立した場合、ウクライナに領土を割譲し、永世中立国になることを要求していた。
ウクライナは2014年に併合されたクリミア半島を含む占領地からの撤退を要求。ロシアの再攻撃を防ぐためにNATO加盟もしくは同等の安全保障を求めている。
ルビオ氏は15日、ラブロフ氏と電話会談を行い、ウクライナ紛争について話し合ったと明らかにした。
ロシア外務省によると、両者はプーチン氏とトランプ氏の直接会談に備え、定期的に協議を重ねることで合意したという。
APは下院外交委員会の話しとして、「ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領がサウジでのサミットに招待されたと理解している」と報じた。
それによると、米当局によるサウジ協議の目的はトランプ氏、プーチン氏、ゼレンスキー氏との会談を手配することと認識しているという。
ゼレンスキー氏は15日、訪問先の独ミュンヘンで米露協議について尋ねられ、「今のところ、ウクライナの特使はサウジに招待されていない」と語った。
ゼレンスキー氏は14日、和平交渉を巡り、協議すべきロシア当局者はプーチン氏ただ1人であり、その条件として「トランプ氏や欧州首脳と共通計画で合意した後」と強調した。
またゼレンスキー氏は「米国の支援なしにウクライナがロシアの攻撃に耐え抜く見込みはほとんどない」と述べ、ウクライナの「生死」はトランプ政権にかかっていると示唆した。