◎ニューヨーク・タイムズ紙は今週、トランプ政権で首席補佐官を務めたケリー氏の取材記事を掲載した。
トランプ前米大統領とナチスの独裁者アドルフ・ヒトラー(Getty Images)

米国トランプ(Donald Trump)前大統領は24日、同氏が過去にナチスの指導者ヒトラー(Adolf Hitler)は「よいことをした」と発言したという報道を否定した。

トランプ氏は激戦州のひとつであるネバダ州を訪問中、記者団に対し、「一度も言ったことがない」と語った。「信じられない偽情報です。そのようなフェイクを流しているのは誰ですか?」

ニューヨーク・タイムズ紙は今週、トランプ政権で首席補佐官を務めたケリー(John Kelly)氏の取材記事を掲載。トランプ氏が在任中、ヒトラーについて肯定的に話すところを目撃したと報じた。

ケリー氏はタイムズ紙に対し、「彼は一度以上、ヒトラーはよいことをしたと発言した」と語った。これがホロコーストを指すかどうかは不明である。

ケリー氏は「トランプ氏がさらに4年間ホワイトハウスに留まることになれば、独裁者のような振る舞いをするだろう」と懸念を表明。「トランプ氏はファシストの定義に当てはまる」と述べた。

米文学雑誌アトランティックも2人の情報筋の話しを引用し、「トランプ氏は在任中、ヒトラーのような将軍が必要だと発言した」と報じている。

トランプ氏はアトランティックの記事は事実かという質問に対し、「そんなこと言っていない」と否定した。

「私はそんなことは言っていない。そんなことは言っていない。以前にも作り話をしたことがあるボロ雑誌だ。ひどい奴だ。選挙の直前です。ただの落ち目の雑誌だ」

ハリス(Kamala Harris)副大統領をはじめとする民主党陣営はこの報道に激しく反応。選挙戦が終盤に入る中、トランプ氏を「民主主義への脅威」と批判している。

ハリス氏は24日夜、ジョージア州の集会でオバマ(Barack Obama)元大統領と一緒にステージに立ち、ケリー氏の記事に言及した。

ハリス氏はこう強調した。「ヒトラーはよいことをしたって、どういうことですか?ヒトラーのような将軍が必要ってどういうことですか?あの男は一体何なんですか?」

オバマ氏はこの報道を見た時、目の前が真っ暗になった嘆いた。「信じられないことに、彼はあまりに狂った行動を取り続けてしまったため、それが普通になってしまったのです。こんな発言をする男がかつて大統領を務めていたと考えると、頭がクラクラします...」

ナチスによるユダヤ人大虐殺では600万人が犠牲になったと推定されている。

トランプ陣営はケリー氏のインタビューを記事を「偽物」と否定している。

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