▽この発表後、株式市場は急騰。ダウ平均株価は1.3%、S&P500は1.25%、ナスダックは1.5%上昇した。
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トランプ米政権は5日、対メキシコ・カナダ関税で混乱が広がる中、自動車産業のみ関税を1カ月免除すると発表した。
この発表後、株式市場は急騰。ダウ平均株価は1.3%、S&P500は1.25%、ナスダックは1.5%上昇した。
米国は4日、メキシコとカナダの輸入品に対する25%の関税を発動。中国には10%の追加関税を課した。
ホワイトハウスのレビット(Karoline Leavitt)報道官は5日、米自動車ビッグ3(フォード、ゼネラルモーターズ、ステランティス)からトランプ(Donald Trump)大統領に関税の発動延期を求める要請があったと明らかにした。
これを受け、トランプ氏は自動車関税のみ、1カ月延期するよう命じたという。
レビット氏は記者団に対し、「トランプ大統領は自動車メーカーが経済的に不利にならないよう、1ヶ月間の免除を与えることを決めた」と語った。
この関税はメキシコ、カナダ、そして米国の多くの企業、特に自動車産業に深刻な影響を与える可能性がある。
北米の自動車産業は3国間の自由貿易協定によって促進される国境を越えた商品の移動から恩恵を受けてきた。一部の自動車部品は最終組み立てまでに6回以上国境を越えることがある。
トランプ氏は5日、SNSへの投稿でカナダを批判。「完全撤回に向けた措置を取らなかった」と述べた。
またトランプ氏はカナダのトルドー(Justin Trudeau)首相電話会談を行い、関税撤廃への道筋について協議したと明らかにした。
さらに、「そのような結果を得るには、カナダが麻薬密売に対処するための十分な行動をとる必要があることを伝えた」とした。
トランプ氏はメキシコとカナダのフェンタニルと不法移入対策に不満を示し、両国が必要な措置を取るまで関税を続けると警告している。
トランプ氏はフェンタニルと不法移民の流入を阻止するために国境警備を強化。中南米の8つの麻薬カルテルを外国テロ組織に指定したり、不法移民を本国や第三国に送還している。
フェンタニルは2ミリグラム服用しただけで死に至る可能性があり、その効果はモルヒネの100倍、ヘロインの50倍といわれている。
米国では過去10年間で45万人以上が合成オピオイドの過剰摂取で死亡、数百万人が中毒になっている。その最大の要因がフェンタニルである。
メキシコ政府は米国境に1万人規模の軍隊を展開。カナダ政府もフェンタニル対策を強化した。
米国に流入するフェンタニルの99.99%がメキシコ産である。メキシコの麻薬カルテルは中国やインドから合成オピオイドの前駆体化学物質を輸入。国内で加工し、米国などに密輸してきた。
ゼネラルモーターズやトヨタなど、主要自動車メーカーを代表する米国自動車イノベーション協会(AAI)は4日、この関税により、米国内の自動車販売価格が大幅に上昇すると懸念を表明していた。