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▽トランプ政権は犯罪者を収監する見返りとして、エルサルバドルに年間600万ドルを支払うと約束している。
トランプ米大統領(右)とエルサルバドルのブケレ大統領(AP通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は14日、不法移民の強制送還政策でタッグを組む中米エルサルバドルブケレ(Nayib Bukele)大統領をホワイトハウスに迎える。

2人は相思相愛で、移民や犯罪者を「叩いて叩いて叩きまくる」と宣言。エルサルバドルの巨大刑務所に犯罪者を収監している。

ルビオ(Marco Rubio)国務長官は13日、X(旧ツイッター)への投稿で、エルサルバドルのギャング「マラ・サルバトルチャ(通称MS-13)」とベネズエラの麻薬組織「トレンデアラグア」の構成員10人がエルサルバドルに到着したと明らかにした。

ルビオ氏はブケレ氏を称賛し、「トランプ大統領とブケレ大統領の同盟は安全と繁栄の模範となっている」と強調した。

トランプ政権は先月中旬、1798年に制定され、第2次世界大戦中に日系人の強制収容で使われたことで知られる敵性外国人法に基づき、トレンデアラグアの構成員約250人をエルサルバドルの刑務所に送った。

先月末にはMS-13のメンバーとされる17人をエルサルバドルに強制送還している。

政府は送還した移民をギャングのメンバーと呼んでいるが、一部の親族はそれを否定している。

3月以来、エルサルバドルは米国から200人以上のベネズエラ人移民を受け入れている。その中には不当に国外追放されたと政権が認めているメリーランド州の男性も含まれている。

ギャングを力でねじ伏せ、エルサルバドルを中南米一安全な国に変え、絶大な人気を誇るブケレ氏は米国が送還した移民を「ギャングテロリスト」と呼び、中部テコルカの巨大刑務所に送ってきた。

トランプ氏は13日、強制送還された人々が収容されている刑務所について何か懸念があるかと尋ねられ、「ブケレは素晴らしい仕事をしている」と記者団に語った。

「彼は私たちが抱えている多くの問題のうち、コスト的に対処できない問題を解決してくれている。ブケレはすごい奴だ。彼は本当に素晴らしい仕事をしている。あの刑務所には非常に悪い人たちがいる。彼らは米国に入国してはいけない悪人たちだ。ブケレは本当にいい奴だ...」

ブケレ氏は2022年3月、ギャング関連の殺人事件が多発したことを受け、非常事態を宣言。刑法を改正するなどしてギャング掃討作戦を本格化させた。

それ以降に逮捕されたギャングまたはギャングと疑われる市民は8万4000人を超え、うち約1万人が証拠不十分で釈放されている。

非常事態令により、警察の権限は大幅に強化され、結社の自由や弁護人を選任する権利なども制限。警察は令状なしで家宅捜索を行ったり被疑者を拘束できるようになった。

また刑法改正により、ギャングに所属し逮捕された幹部の懲役刑は6年以上9年以下から「40年以上45年以下」、その他の構成員は3年以上5年以下から「20年以上30年以下」に引き上げられた。

ブケレ政権の掃討作戦により、国内のギャングはほぼ壊滅し、エルサルバドルは世界で最も危険な国から、中南米で最も安全な国に豹変。23年の殺人事件は214件で、2015年に記録した6600件の30分の1に激減した。

ブケレ氏と与党・新思想党(NI)の支持率は90%前後で推移している。

ブケレ氏は2月にルビオ氏と会談して以来、トランプ政権の移民追放政策をサポートしてきた。

トランプ政権は犯罪者を収監する見返りとして、エルサルバドルに年間600万ドルを支払うと約束している。

米最高裁は先週、トランプ政権による敵性外国人法を活用したベネズエラ犯罪者の強制送還を差し止めた下級審の仮処分について、無効とする判断を示した。

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