トランプ氏、ベネズエラに対する軍事行動の可能性排除せず
トランプ氏はホワイトハウスの記者団に対し、「ベネズエラとおそらく話し合うだろう」と繰り返し述べたが、ベネズエラ領土での軍事行動の可能性は排除していないことを強調した。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は17日、南米ベネズエラの独裁者であるマドゥロ(Nicolas Maduro)大統領との首脳会談について言及したものの、ベネズエラに対する軍事行動の可能性を排除しなかった。
トランプ氏はホワイトハウスの記者団に対し、「ベネズエラとおそらく話し合うだろう」と繰り返し述べたが、ベネズエラ領土での軍事行動の可能性は排除していないことを強調した。
その数時間後、マドゥロ氏はトランプ政権との対話に前向きな姿勢を示した。
トランプ氏は「その可能性を排除しない。何事も排除しない。そういうことだ」と語った。
またトランプ氏はマドゥロ氏を、ベネズエラから米国に流入する麻薬や移民と結びつけ、「彼はわが国に甚大な損害を与えた」と指摘。「米国にとって良い存在ではない。今後の展開を見守る」と述べた。
マドゥロ氏は第1次トランプ政権時の2020年、麻薬密売やテロリズムなどに関する共謀罪で、マンハッタン連邦裁判所において、複数の同盟者たちとともに起訴された。
米政府はマドゥロ氏にかけている報奨金を5000万ドルに引き上げている。
米海軍の原子力空母ジェラルド・R・フォードは16日、ベネズエラ沖に到着した。
フォードを中核とする空母打撃群はこの海域で活動する部隊に合流。「麻薬密輸船」を取り締まる予定だ。
米海軍は9月、外国テロ組織に指定されているベネズエラの麻薬組織トレンデアラグアが運航する麻薬輸送船を空爆し、構成員11人を殺害。その後、さらに19隻の麻薬密輸船を爆撃した。
一連の攻撃による死者は80人にのぼっている。
トランプ氏は麻薬カルテルと戦争状態にあると宣言し、それをテロ組織に指定することで、一連の攻撃を正当化してきた。
これはジョージ・W・ブッシュ政権がテロとの戦争に使用したのと同じ法的権限に基づいている。
フォードの到着により、この海域に展開された艦船は10隻超、要員は約1万2000人に達した。
マドゥロ氏は麻薬密輸船に対する攻撃を非難し、国連安全保障理事会に米国を止めるよう求めている。
一部の専門家はトランプ政権がマドゥロ氏に圧力をかけ、政変を促すために空母打撃群をこの海域に送ったと指摘している。
