◎マイクロソフト社は前日、イランのハッカーが今年6月に米大統領選の選挙キャンペーンを妨害した証拠があると明らかにしていた。
米国のトランプ陣営は10日、内部通信の一部がハッキングされたと発表。イランの工作員が関与していると示唆した。
米政治専門サイト「ポリティコ」は10日、トランプ(Donald Trump)前大統領のランニングメイトであるJ・D・バンス(JD Vance)上院議員に関する内部調査を含む選挙キャンペーン文書が漏洩したと報じた。
AP通信はトランプ陣営の広報担当の声明を引用し、「米国と敵対する勢力が秋の選挙を妨害する目的で、これらの文章を不正に入手した」と伝えている。
ポリティコは漏洩した文書の信憑性を確認したとしている。
トランプ陣営はイランが関与していると示唆したが、その証拠は明らかにしなかった。
マイクロソフト社は前日、イランのハッカーが今年6月に米大統領選の選挙キャンペーンを妨害した証拠があると明らかにしていた。
同社によると、ハッカーは陣営の担当者などにフィッシングメールを送り付けていたという。
トランプ陣営はマイクロソフト社の発表について、「イランはトランプ大統領がバンス氏を副大統領候補に選んだ時期に攻撃を開始したようだ」と指摘している。
ポリティコによると、トランプ陣営は先月下旬頃から「ロバート」と名乗る人物の電子メールを複数受け取ったとされる。
これがフィッシングメールかどうかは不明だが、この結果、バンス氏の271ページにわたる内部文書が漏洩したという。
陣営は副大統領候補の過去の問題発言やスキャンダルを調査し、大統領候補に報告することが慣例となっている。
マイクロソフト社はレポートの中でこう指摘している。「イランのハッカーによる情報抜き取りや工作は少なくとも過去3回の米大統領選で確認されている...」
これはイランに限った話ではなく、米国と敵対するロシアも大統領選や陣営に関する偽情報を積極的に発信している。
マイクロソフト社は2020年の選挙中にも同様のレポートを公表し、イランのハッカーが選挙キャンペーンを標的にしていたと述べていた。
米当局は先月のトランプ氏暗殺未遂についても、イラン陣営がこれとは全く異なる襲撃事件を計画していた可能性がある指摘。米司法省は6日、イランとつながりがあるとされるパキスタン人男性がこの暗殺計画に関与した疑いで逮捕・起訴されたと発表した。