◎トランプ氏は暴動当日、ペンス氏を「プッシー(カス野郎)」と罵った。
2022年6月16日/ワシントンD.C.議会議事堂、2021年1月6日のDC暴動事件の下院公聴会(Susan Walsh/AP通信)

米議会下院で16日、トランプ(Donald Trump)前大統領の支持者が引き起こした昨年1月のDC暴動公聴会3日目が開催された。

特別委員会は報告の中で、「トランプ氏はペンス(Mike Pence)前副大統領に2020年の大統領選結果を打ち消すよう圧力をかけ、ペンス氏を危険にさらした」と説明した。

ペンス氏は当時、上下両院による選挙人投票集約を主催していた。

公聴会議長のトンプソン(Bennie Thompson)議員は、「ペンス氏はドナルド・トランプの企てを阻止した」と語った。

特別委員会はトランプ氏がクーデター未遂に関わったことを明確にし、責任を取らせるとしている。

一方、トランプ氏は公聴会を「カンガルー法廷」と嘲笑し、「民主党は現在の惨状から米国民の目をそらせようとしている」と非難した。

3回目の公聴会は大統領が選出される憲法上のプロセスに焦点を当てた。

トランプ氏は当時、ペンス氏には大統領選結果を覆す権限があると主張していた。

ペンス氏の顧問弁護士を務めていたジェイコブ(Greg Jacob)氏は16日、「憲法、歴史、そして率直に言って、常識的に考えて、ペンス氏に選挙結果を覆す権限はない」と証言した。

またジェイコブ氏は、「建国の父たちはひとりの人間、特に選挙結果に関係のある人間を、選挙結果に決定的な影響を与える役割には就かせなかった」と述べた。

ペンス氏の側近のひとりであるルティグ(Michael Luttig)氏は、「私は当時、副大統領がトランプ氏の命令に従った場合、米国は革命に等しい状況に陥ると考えていた」と語った。

特別委員会はトランプ氏が1月6日の共和党集会でペンス氏に「正しいこと」をするよう呼びかける映像と、DC議会に押し寄せた暴徒が「ペンスを吊るせ」と叫ぶ映像を上映した。

特別委員会の議員らは、「トランプ氏は暴動が発生した後もペンス氏を意気地なしとツイートで批判するなど、ペンス氏に圧力をかけ続けた」と指摘した。

トンプソン議員は、「マイク・ペンスはNOと言った」と語った。「彼はそれが違法であることを知っていました。ドナルド・トランプの圧力に屈しなかった結果、彼は命の危険にさらされたのです」

特別委員会の調査によると、ペンス氏は暴徒が攻撃を開始した際、議会のホール内にいた。ペンス氏の当時の様子を記録した写真も初公開され、ペンス氏の家族も避難を余儀なくされた。

民主党のアギーラ(Pete Aguilar)議員は、「暴徒はペンス氏の目の前に迫っていた」と証言した。

ペンス氏と一緒に避難したジェイコブ氏は、「私は当時、彼らが10m程の距離まで接近していることを知らなかった」と述べた。

特別委員会はトランプ氏の側近が暴動当日の朝、トランプ氏とペンス氏が電話で口論しているところを聞いたと証言する映像も初めて公開した。

ある側近は映像の中で、「トランプ氏がペンス氏を弱虫と呼ぶのを聞いた」と述べ、別の側近は「トランプ氏はペンス氏に2016年の大統領選でパートナーに選んだのが間違いだったと言った」と述べている。

イヴァンカ(Ivanka Trump)氏の首席補佐官を務めたラドフォード(Julie Radford)氏は、「トランプ氏がペンス氏をPワード(プッシー/カス野郎)で罵ったとイヴァンカ氏から聞いた」と説明した。

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