◎トランプ氏は2016年の大統領選に出馬した時から反移民感情を煽ってきた。
米国のトランプ(Donald Trump)前大統領は11日、コロラド州オーロラの選挙集会で移民を国外追放すると誓い、「米国市民や法執行機関のメンバーを殺害した移民を死刑にしよう」と呼びかけた。
移民排斥を公約に掲げるトランプ氏は移民を「侵略者」と呼び、大統領選の投票日である11月5日を「米国解放記念日」と評した。
「世界は米国を”移民に占領された国”と呼んでいます。ハリス・バイデン政権が侵略者を受け入れた結果、米国市民は移民の奴隷になったのです...」
トランプ氏は再選した場合、就任後数日以内に移民を「打ち負かす」と表明。大規模な強制送還を柱とする政策案を提示し、厳しいビジョンを示した。
「コロラド州の皆さん、そして全米の皆さん、私はこう誓います。2024年11月5日は米国解放の日となります...」
トランプ氏はバイデン(Joe Biden)大統領が南部国境を開放し、移民を大々的に受け入れていると主張。「移民のせいで米国市民の雇用が奪われ、食べ物が奪われ、住宅が奪われている」と述べ、再び移民を悪者扱いした。
複数の人権団体がこの演説に猛反発。トランプ氏が移民を犯罪者扱いし、暴力とヘイトを煽っていると非難した。
ハリス(Kamala Harris)副大統領とトランプ氏の支持率は拮抗しており、激戦7州の動きに注目が集まっている。
トランプ氏は2016年の大統領選に出馬した時から反移民感情を煽ってきた。
2010年代中頃にはオバマ(Barack Obama)元大統領がイスラム教徒であるという陰謀論を広めた。
2016大統領選への出馬を表明した際、トランプ氏はメキシコ系移民を「強姦魔」と呼び、激しい選挙戦を展開した。その誹謗中傷は2021年に退任するまで続いた。
一部の専門家はトランプ氏による反移民発言が極右の暴力だけでなく、黒人、ヒスパニック、アジア系移民への嫌がらせやヘイトクライムの増加につながる可能性があると警告している。