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トランプ氏がイランのデモに言及「平和的な抗議者を殺害したら介入する」

イラン国内では昨年末に通貨リヤルの急落やインフレの悪化を背景にデモが各地に広がり、首都テヘランや地方都市で市民と治安部隊の衝突が相次いでいる。
2025年12月29日/イラン、首都テヘラン、政府に抗議する人々(AP通信)

トランプ(Donald Trump)米大統領は1月2日、イランで続く大規模な抗議デモに関して、同国政府が「平和的な抗議者を殺害した場合には米国が介入する」と警告した。トランプ氏は自身のソーシャルメディアに声明を投稿。「もしイランが平和的な抗議者を発砲し暴力的に殺害するならば、合衆国は彼らを救出するために動く。われわれは準備万端であり、行動の準備ができている」と述べた。具体的な介入方法については明示しなかったが、米国が軍事的にも行動可能な態勢にあるとの強いメッセージを発した。

イラン国内では昨年末に通貨リヤルの急落やインフレの悪化を背景にデモが各地に広がり、首都テヘランや地方都市で市民と治安部隊の衝突が相次いでいる。複数の報道機関によると、これまでに少なくとも6~7人が死亡するなど、抗議活動はその規模と激しさを増している。デモは当初、物価高や経済停滞への抗議として始まったものの、政府批判や政治改革を求める声へと発展している。

トランプ氏の警告を受け、イラン側の反応も強いものとなった。イラン最高国家安全保障会議の事務局長はX(旧ツイッター)への投稿で米国の介入は「地域全体の混乱と米国の利益の破壊を意味する」と非難し、イラン国民や米国民に向けて「米国は自国の兵士の安全を考えるべきだ」と警告した。別の高官も、いかなる外国の干渉も容認しないとの姿勢を示した。

イラン政府は一部で対話の意向を示しているものの、デモ隊と治安当局との衝突は収まっておらず、経済的困窮と政治的不満が根深いことを浮き彫りにしている。抗議活動は2022年にクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんの死亡をきっかけに全国的な広がりを見せた「女性、生活、自由」運動以来の規模に達しているとの指摘もある。

トランプ氏の今回の発言は、米国とイランの関係が緊張感を増す中でのものであり、地域の安全保障や国際社会の対応に影響を与える可能性がある。米国はこれまでも人権や民主主義の観点からイラン政府を批判してきたが、今回のような「介入」をほのめかす強い表現は異例である。米国内外からは、具体的な介入の方法やその正当性をめぐる疑問や懸念の声も上がっている。 

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