◎トランプ大統領はパット・チポロン顧問を含む補佐官や弁護士に「自己恩赦」を与える可能性について尋ねた。
◎トランプ大統領が自分自身に恩赦を与えるかどうかはまだハッキリしていない。
2021年1月6日 Getty Images/ワシントンD.C.トランプ大統領

米主要メディアによると、トランプ大統領はパット・チポロン顧問を含む補佐官や弁護士に「自己恩赦」を与える可能性について尋ねたという。

ABCニュースは、これらの会話のいくつかはここ数週間の間に確認されたと報じた。ただし、1月6日のワシントンD.C.議会議事堂での暴動やジョージア州の州務長官を脅迫した問題に対する恩赦が話し合われたかどうかは分かっていない。

CNNニュースによると、トランプ大統領は自己恩赦の法的および政治的影響についても訪ねたという。

ニューヨーク・タイムズは1月7日の記事で、トランプ大統領は選挙以降に「自分自身を赦したいと提案した」と報じた。

また、「米大統領に自己恩赦を発効する権限があるかどうか」についての法的な意見を求め、自分がこれから直面する「何らかの問題に対処する方法を聞いた」と伝えられている。

ただし、主要メディアはトランプ大統領が自分自身に恩赦を与えるかどうかはまだハッキリしていないと報じている。

歴代大統領が自分自身を赦したことはいまだかつてない。司法も自己恩赦の正当性を検証したことがなく、法学者の意見(裁判所がそれを認めるかどうか)は分かれている。

しかし、大統領が「自己恩赦の権限は法を超えていると一方的に宣言」すれば、「職務で犯した犯罪の責任から身を守ろうとした危険な前例が生み出されてしまう」と法学者たちは指摘する。

2021年1月6日 AP通信/ワシントンD.C.議会議事堂、ナンシー・ペロシ下院議長の執務室
2021年1月6日 AP通信/ワシントンD.C.議会議事堂

トランプ大統領は1月20日の退任までに新たな恩赦を複数準備していると噂されている。

2018年6月、ロバート・ミュラー特別検察官の捜査(ロシア疑惑)に直面したトランプ大統領は、「私は絶対的な権利を持っている」とツイートした。

ドナルド・トランプ大統領:
「多くの法学者が説明している通り、私は恩赦という絶対的な権利を持っている。ただし、私は何も悪いことはしていないので、自分に恩赦を与えることはない。私を貶めようとする民主党員率いる魔女狩りチームは...」

合衆国憲法に精通しているほとんどの弁護士や専門家は、「恩赦は非常に曖昧なものだが、少なくとも大統領は自分自身を赦すことはできない」と述べている。

ハーバード大学のマーク・タシュネット教授はABCニュースの取材に対し、「自己恩赦は明らかにその原則と矛盾している」と述べた。

しかし、一部の専門家は「トランプ大統領は恩赦の曖昧さに目を付けた」と指摘する。

ジョージタウン大学のルイス・シードマン教授は、「自分を赦そうとした大統領はひとりもいない。前例がなく、最高裁判所の判例もないため、何が起こるか想像もつかない」と述べた。

トランプ大統領は自分や家族と関係の深い物議を醸した人物に恩赦を与えてきた。

昨年末、トランプ大統領は大切な友人のロジャー・ストーン氏、元トランプキャンペーンチームのリーダー、ポール・マナフォート氏、現ホワイトハウス上級顧問、ジャレッド・クシュナー氏の父を含む犯罪者にクリスマス恩赦をプレゼントした。

米大統領は任期の終盤に恩赦を与えることが通例になっている。主要メディアは、まもなく退任するトランプ大統領が自分勝手な恩赦を複数発効するかもしれないと警告した。

なお、トランプ弾劾包囲網の構築に尽力したマイケル・コーエン氏は今回も赦されないと噂されている。

2021年1月6日 AP通信/ワシントンD.C.トランプ大統領
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