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軽自動車を評価するトランプ氏、米国で本当に売れる?

これらは一般的な米国の乗用車よりもはるかに小さく、狭い道路や都市部の駐車にも適している。
中国BYDの軽自動車(Getty Images)

トランプ(Donald Trump)大統領は昨年12月、日本で大人気の軽自動車について「とても小さくて、本当に素晴らしい」と評価し、この車を米国内で製造・販売する方針を表明した。しかし、米国市場で本当に受け入れられるかどうかには疑問が残る。

トランプ氏が指摘したのは日本やアジア各国で人気のある軽自動車やコンパクトカーである。これらは一般的な米国の乗用車よりもはるかに小さく、狭い道路や都市部の駐車にも適している。トランプ氏は「日本ではとても小さくてとてもキュートな車がたくさん走っている」と述べ、米国でもこうした車を作って売るべきだとの考えを示した。

トランプ氏は自身のSNSで「アメリカでこうした小さな車の製造を承認した」と投稿し、「これらの車は近い将来、安価で安全、燃費が良く、率直に言って驚くべきものになる」と強調した。トランプ氏は運輸長官に規制の見直しを指示し、製造・販売に向けた障壁を取り払うよう求めたという。

この発言は米国の自動車市場の大きな変化を促す可能性をはらんでいる。米国では長年にわたり大型のSUVやピックアップトラックが主流で、消費者の好みも大きな車に偏っていると指摘される。小型車は過去にも販売されてきたが、消費者の関心は限定的で、販売台数は伸び悩んできた背景がある。

専門家の中には、米国人が本当にこうした小型車を買うかは不確実だとの声もある。米国市場では安全基準や高速道路での走行性能などが厳しく、小型車が安全基準を満たせないことが課題として挙げられている。また、多くの消費者は長距離移動や悪路走行を重視するため、快適性の高い大型車を選ぶ傾向が続いているという分析もある。

実際、米国内で小型車が販売されるケースは少なく、既存の安全基準のために輸入が制限されてきた経緯がある。専門家の一部は、米国市場で受け入れられるには規制の見直しだけでなく、消費者の意識変化やメーカー側の新たな戦略が必要との見方を示す。

トランプ政権は一方で、燃費規制の緩和や従来の電気自動車(EV)重視政策の見直しを進め、消費者にとって購入しやすい車の提供を重視する姿勢を打ち出している。こうした政策の一環として、軽自動車の導入が検討されているが、実際に消費者がこれを受け入れるかは今後の市場動向を見なければならない状況だ。

トランプ氏の発言は米国内で賛否両論を呼んでおり、支持者の中には「価格が安く燃費が良い車は多くの人に恩恵を与える」との意見がある一方、批評家は「ライフスタイルや安全性の面で課題が多い」と指摘している。いずれにせよ、米国自動車市場における軽自動車の議論は今後も続く見込みである。

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