トランプ2026経済、厳しいスタートに、雇用減とエネルギー価格急騰で
経済の不安定要因の一つとして、エネルギー価格の上昇が挙げられている。
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トランプ(Donald Trump)米大統領が「力強い経済(roaring economy)」を実現していると強調する中、2026年の米国経済は年明けから不安定なスタートとなっている。最新の経済指標では雇用の減少やガソリン価格の上昇、株式市場の変動などが確認され、景気の先行きに対する懸念が広がっている。
米労働省が6日に公表した2月の雇用統計によると、前月に比べて9万2000人雇用が減少した。専門家の多くは雇用の「増加」を予測していたため、予想外の結果となった。失業率も4.4%に上昇し、労働市場に弱さが見られることが改めて浮き彫りになった。
さらに、過去の統計の修正によって2025年末から2026年初めにかけての雇用増加数も下方修正され、雇用の伸びが当初の想定より弱かったことが明らかになった。直近3カ月の平均雇用増加数はほぼゼロに近い水準にとどまり、労働市場の減速が指摘されている。
経済の不安定要因の一つとして、エネルギー価格の上昇が挙げられている。米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃など中東情勢の緊張を背景に、原油価格が急騰し、米国内のガソリン価格も大きく上昇した。平均価格は前年より大幅に上がり、インフレ再燃への懸念を強めている。
株式市場も影響を受けている。代表的な株価指数であるダウ30種平均は最近の高値から約5%下落し、市場では地政学的リスクや経済指標の弱さを警戒する動きが広がっている。企業の投資や消費者心理にも影響が及ぶ可能性があると指摘されている。
一方で、米国経済の基礎的な指標がすべて悪化しているわけではない。2025年第4四半期(10~12月)の労働生産性は約2.8%上昇、企業の効率性は改善している。また消費者物価指数(CPI)は2.6%と、過去数年の高水準からは落ち着きつつある。
しかし、賃金の伸びは必ずしも十分ではなく、労働者が受け取る所得の割合は記録的な低水準に近づいていると指摘されている。経済全体が成長しても、労働者の生活実感が改善しにくい状況が続いている可能性がある。
また、トランプ政権の経済政策についても議論が続いている。輸入関税の再導入や移民規制の強化などは一部の産業を保護する一方、企業の雇用計画や労働力不足に影響を与えているとの指摘もある。企業側は政策の不確実性を理由に投資や採用に慎重になっているという見方もある。
2025年のGDP成長率は2.2%で、2024年(バイデン政権期)の2.8%を下回った。米国経済は依然として成長を続けているものの、勢いが鈍化しているとの見方が広がっている。
トランプ氏は演説などで米国経済の強さを強調しているが、2026年の始まりは必ずしも順調とは言えない状況となっている。雇用、エネルギー価格、金融市場の動向が今後どのように推移するかが、米国経済の先行きを左右する重要な要因となりそうだ。
