トランプ氏、クレジットカード年利10%の上限提案、業界から反発も
この提案はトランプ氏が2024大統領選の公約として掲げていたもので、国民の家計負担を軽減する狙いがあるとされる。
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トランプ(Donald Trump)米大統領は9日、クレジットカードの年利(APR)に1年間の上限10%を設ける方針を改めて打ち出した。この提案はトランプ氏が2024大統領選の公約として掲げていたもので、国民の家計負担を軽減する狙いがあるとされる。しかし、主要な銀行やクレジットカード会社からは強い反発が出ている。
トランプ氏は自身のソーシャルメディアに声明を投稿。「クレジットカード会社が20数%から30%にも及ぶ高利を課して国民を搾取することを許さない」と投稿し、1月20日から1年間、金利の上限を10%とすることを求めると表明した。実施方法や法的根拠について具体的な説明はなく、行政府の権限で実行するのか、連邦議会の立法措置を必要とするのかも明確にはしていない。
労働者や中低所得層の多くがクレジットカードの高金利による家計圧迫に悩んでいる。連邦準備制度理事会(FRB)などのデータによると、2025年時点でクレジットカードの平均金利は19.6〜21.5%に達し、1980年代後半から記録的な高水準が続いている。研究者の試算では、金利を10%に抑えることで米国の消費者は年間で約1000億ドル(約15.6兆円)もの利息支払いを節約できる可能性があるという。
しかし、金融業界の反応は厳しい。ウォール街の大手銀行やクレジットカード発行会社は、トランプ氏を2024年の選挙で支援した主要な献金者でもあり、この提案に対して即座に批判を表明した。米銀行協会やその他業界団体は共同声明で、「このような金利上限は消費者をより規制の緩い高コストの貸し手に向かわせ、かえって負担を増やすだけだ」と主張した。
批判は政治の両側からも出ている。富豪でありトランプ支持者でもあるヘッジファンドマネジャーのビル・アックマン(Bill Ackman)氏は、この計画は「誤り」であり、クレジットカード会社が大量の口座を閉鎖する可能性があると指摘している。高リスクの借り手はより高金利の貸し手に移行しかねないという懸念も示された。
また、上限金利の制定には連邦議会の承認が不可欠との見方が支配的だ。共和党のある上院議員はトランプ氏と協議し、法整備を進める意向を示したものの、実際に議会を通過させるには多くの障壁がある。民主党の一部議員や規制当局も、金利上限の導入については慎重な姿勢を崩していない。
一方で、クレジットカード金利の抑制を求める議員も存在する。民主党のサンダース(Bernie Sanders)上院議員は昨年、同様の上限を設定する法案を提出している。また下院でも複数の民主党議員が類似の措置を提案しており、 超党派的な動きも一部見られる。
トランプ氏の金利上限提案は、深刻化する家計負担への対応策として支持を集める可能性がある一方で、金融市場や政治の現実とのはざまで実現の道筋は不透明なままである。今後、議会での審議や金融業界との交渉が焦点となる。
