◎トランプ大統領は数週間前から恩赦と減刑の準備を進めていたが、1月6日のDC暴動以降、対象者の選定作業を中断していたと伝えられている。
◎CNNニュースは、トランプ大統領の恩赦は19日の約100件が最後になると報じた。
2019年2月5日 Getty Images/ワシントンD.C.ホワイトハウス、トランプ大統領

米主要メディアによると、トランプ大統領は約100件の恩赦と減刑を準備しているという

CNNニュースは、「対象者を最終決定する会議が1月17日に開催された」と報じた。なお、かねてから噂されていた自分自身を赦す「自己恩赦」が出される可能性は低いという。

トランプ大統領は数週間前から恩赦と減刑の準備を進めていたが、1月6日のDC暴動以降、対象者の選定作業を中断していたと伝えられている。

補佐官によると、トランプ大統領は1月6日の暴動を扇動したと議会から厳しく非難されたことで、選定作業の再開を延期せざるを得なかったという。

CNNニュースは、トランプ大統領の恩赦は19日の約100件が最後になると報じた。なお、対象者は物議を醸してきた同盟国、トランプファミリーおよび自分に忠誠を誓う関係者などと予想されている。また、土壇場で自分自身を赦す可能性もあり得るという。

トランプ大統領は先日の下院弾劾裁判で有罪を言い渡され、米史上初のダブル弾劾大統領になった。なお、上院の弾劾投票が可決(賛成3分の2以上)される可能性は極めて低いと噂されている。

2021年1月13日 AP通信/ワシントンD.C.議会議事堂

恩赦はまもなく退任するトランプ大統領が必ず完了させなければならない項目のひとつである。

ホワイトハウスの当局者によると、トランプ大統領は退任する前にロシアに関連する情報を処理したいと望んでいるが、現政権の行政官が減ったため、予定通りにいくかどうかは分からない状態だという。

2回目の弾劾につながった1月6日の暴動は、自分自身、家族、個人弁護士のルディ・ジュリアーニ氏を赦したいと考えていたトランプ大統領の願いの達成を困難にした。

CNNニュースによると、顧問のひとりが自己恩赦を本気で考えていたトランプ大統領に対し、「自己恩赦は罪を犯したと認めているように見えるため、実施すべきではない」と提案したという。

トランプ大統領は以前、「私は何も悪いことはしていないので、自分に恩赦を与えることはないだろう」と述べている。

また別の顧問は、「議会議事堂の襲撃に関与した者に恩赦を与えてはいけない」と忠告したという。

トランプ大統領の同盟国のひとり、共和党のリンゼー・グラハム上院議員は17日のフォックスニュースのインタビューの中で、「大統領に恩赦を求めている人が大勢いる。自分から積極的に赦しを求めることは間違いだ」と述べた。

2021年1月6日 Getty Images/ワシントンD.C.トランプ大統領

ホワイトハウスのある補佐官によると、「トランプ大統領は自己恩赦のための資料をまだ作成していない」という。

ただし、一部の専門家は、「19日の恩赦が最後と伝えられているが、トランプ大統領は20日の正午まで権限を持っている。当日に何かしらの行動を起こす可能性も否定できない」と警告した。

トランプ大統領はホワイトハウスにとどまっている顧問や熱心なロビイストなどから、「恩赦に関する複数の助言や支援を受けている」と伝えられている。

ホワイトハウスのある補佐官によると、「トランプ大統領は借りがあると思う人々に恩赦を与えることが好きだ。それは取引である」と述べたという。

フロリダ州パームビーチの著名な眼科医として知られるサロモン・メルゲン氏は、今回恩赦を受ける1人と噂されている。同氏は民主党のボブ・メネンデス上院議員に賄賂を提供した事件で注目を集め、2018年に数十件の医療詐欺で懲役17年を言い渡された。

なお、メルゲン氏とメネンデス上院議員の汚職事件は、2018年1月に司法省に取り消されている。

メルゲン氏は南フロリダで影響力のある人物のひとりと見なされており、フロリダ州で活動するトランプ大統領にも何かしらの影響を与える可能性が高いと伝えられている。

1月17日、ニューヨーク・タイムズは、「恩赦を望んでいる重罪犯をサポートするロビイストたちが、共和党に何万ドルも寄付している」と報じた。

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