◎調査対象の中には、1月6日の早朝にワシントンD.C.で反政府民兵組織「オース・キーパーズ(Oath Keepers)」のメンバーと談笑していた元トランプ前大統領の顧問、ロジャー・ストーン氏も含まれている。
ABCニュースによると、米下院の弾劾チームと弁護士たちは、チームトランプの不審な行動と1月6日のDC暴動の関連を調査しているという。
ABCニュースは、「弾劾チームはトランプ前大統領に近い個人に関連する動画、写真、ソーシャルメディアへの投稿などを徹底的に調査し、議会議事堂の暴動に関与した可能性を調べている」と報じた。
調査対象の中には、1月6日の早朝にワシントンD.C.で反政府民兵組織「オース・キーパーズ(Oath Keepers)」のメンバーと談笑していた元トランプ前大統領の顧問、ロジャー・ストーン氏も含まれている。
共和党のベテラン政治活動家として知られるストーン氏は、2016年のロシア疑惑に関するロバート・ミューラー特別検察官の調査で、司法妨害、改ざん、議会への虚偽の供述など、計7件の罪で起訴され有罪判決を受けた。
しかし、昨年12月末にトランプ前大統領から恩赦を与えられ、ストーン氏の前科記録は抹消された。
ストーン氏はクリスマス恩赦について、「ドナルド・J・トランプ大統領の並外れた正義の行動に深く感謝したい」と喜びを語った。
先日ABCニュースがリリースした動画には、ストーン氏とオース・キーパーズのメンバーが映っていた。ただし、ストーン氏とこの組織が議会議事堂の襲撃に関与したかどうかは分かっていない。
公開された動画にはストーン氏とあるトランプサポーターのやり取りが記録されていた。
サポーター:うまくいけば、今日ありますよね?
ストーン氏:私たちはそれを見るだろう。
ストーン氏は暴動後の声明で、「私は1月6日のイベントに一切関与しておらず、何の役目も果たしていない」と主張し、「ワシントンダレス国際空港に出発するまで、ホテルの敷地を離れなかった」と述べた。
チームトランプの暴動前と最中の行動調査は、2月9日から始まる上院弾劾裁判に何かしらの影響を与える可能性がある。また下院の弾劾裁判チームは、トランプ前大統領と同盟国の暴動への関与もしくは、「暴動が発生することを事前に察知していた可能性もある」とにらんでいる。
ABCニュースによると、裁判所、軍の調査記録、インタビュー、入手可能なレポートから議会議事堂の襲撃に関与し起訴された約200人を調査した結果、少なくとも14人がトランプ前大統領の1月6日の演説に従ったという。
下院の弾劾裁判チームはホワイトハウスの元首席補佐官、マーク・メドウズ氏を含むトランプ政権の上級職員の行動と暴動に関連がないかも調査していると伝えられている。
トランプ前大統領は1月6日の「セーブアメリカ集会」で支持者に対し、「議会議事堂へ行き、私のために戦いなさい」と繰り返し促した。
フォックスニュースを含む米メディアは当時、「トランプ大統領はホワイトハウスに戻り、プライベートダイニングルームでメドウズ首席補佐官を含む顧問に暴力を非難するよう促された。彼は暴動をリアルタイムで見ていた」と報告している。
一方、民主党指導部は1月6日の動画やソーシャルメディアの記録が上院弾劾裁判に良い影響を与えるとは思っていないという。なお、調査の証拠から新たな情報や証言が得られるかどうかも定かではない。
上院は弾劾裁判の進行方法や証人の召喚の可否などの条件について、まだ合意に達していない。しかし、下院の弾劾担当者はトランプ前大統領に、宣誓の下で証言するよう要請した。
民主党のジェイミー・ラスキン下院議員は2月4日の声明で、「連邦政府に対する暴動を扇動したと非難された役人は、公の場で正直に証言しなければなりません」と述べた。
ジェイミー・ラスキン下院議員:
「私たちはトランプの行動は弁解の余地がないことを裁判で証明します。真実を語れば罪悪感は多少薄れるかもしれません。しかし、拒否すれば、彼は不利な状況に立たされるでしょう」