◎下院民主党弾劾チームを打ち負かしたトランプ前大統領は、フロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴで勝利を祝った。
2月13日、下院民主党弾劾チームを打ち負かしたトランプ前大統領は、フロリダ州パームビーチのマー・ア・ラゴで勝利を祝った。伝えられるところによると、ある関係者は「ディズニーワールドに行こう！」と冗談を言ったという。
歴史的な2回目の弾劾裁判で勝利を勝ち取ったトランプ前大統領は、次の段階に進む準備を開始している。
しかし、トランプ前大統領は最も強力な情報発信ツール（ツイッター）を失い、政治活動を行う上で欠かせない情報発信能力の低下に直面している。
また、1月6日のクーデターを主導した影響で共和党員との対立が激化し、これまでのように支持を得ることも難しくなった。
保守的な共和党支持者は他の共和党候補者よりトランプ前大統領を圧倒的に支持しているが、上下両院の共和党員はトランプ前大統領に冷たい目を向けている。2月13日の弾劾投票で賛成に投票した上院共和党員は7人、第1回弾劾裁判はわずか1人だった。
トランプ前大統領は来年の予備選挙で自分の子分になり得る候補者を支援すると伝えられているが、議員らがこの動きを歓迎するかは不明。
トランプ前大統領の友人や同盟国らは、前大統領に友好的かつ穏やかなメディアインタビューと政治活動を行ってほしいと期待している。
伝えられるところによると、トランプ前大統領は政治補佐官との会話の中で、「弾劾を支持した者、もしくは、11月の大統領選挙の結果を覆そうとする試みに反対した者への復讐」に固執していたという。
チームトランプのジェイソン・ミラー上級顧問はフォックスニュースのインタビューの中で、「今後、大統領から色んな話を伺うことになると思います」と語った。
弾劾裁判後、悔い改めないトランプ前大統領は声明の中で、「私たちの（選挙）運動は始まったばかりです」と高らかに宣言した。
トランプ前大統領（声明）：
「私は皆さん（支持者）と共有したいことがたくさんあります。私は偉大なアメリカを取り戻す信じられないほど素晴らしい旅を皆さんと再会できる日を楽しみにしています。そして、民主党は私とは正反対の旅を皆さんに提供するでしょう」
13日の祝宴に参加した共和党のリンゼー・グラハム上院議員はフォックスニュースサンデーの中で、「大統領は一部の人に腹を立てているだけでなく、共和党を再建し、2022年の予備選挙で大勝を収めると興奮した様子で語った」と述べた。
さらに、「私は彼に言った。大統領、このMAGA運動を継続しなければなりません。私たちは共和党を団結させる必要があります。チームトランプは2022年に向けて動き出します」と述べ、以前トランプ前大統領が主張した新党結成ではなく、共和党で勝利を収めることが重要だと強調した。
リンゼー・グラハム上院議員：
「私の目標は2022年の予備選挙に勝利し、ジョー・バイデンの危険な法案を阻止することです。しかし、私たちはトランプ前大統領抜きで戦えるとは思っていません。彼は選挙活動の準備を整えています。そして、私は彼と一緒に働く準備ができています」
共和党のミッチ・マコーネル上院院内総務も13日の投票で無罪に投票したが、その後の記者会見でトランプ前大統領を痛烈に批判している。グラハム氏はマコーネル氏の発言について、「彼は胸の奥の何かを取り除こうとしました。しかし、私は勝つことに夢中です。まずは予備選挙で勝利しなければいけません」と述べた。
しかし、トランプ前大統領は今後、様々な困難に直面すると予想されている。
ジョージア州フルトン郡の地方検事は、同州のブラッド・ラフェンスパーガー州務長官を脅迫した罪でトランプ前大統領を調査している。トランプ前大統領はラフェンスパーガー州務長官に電話で、「11,780票を見つける」よう圧力をかけ、「私は勝ちたいんです」と訴えた。
トランプ前大統領（録音）：
「私はジョージアで勝ちたいんです。11,780票の差をひっくり返したいんです。私はジョージアで勝ちました。結果をひっくり返せばアメリカは繁栄します...ジョージアを失うなどあり得ません。接戦だったと聞いた時、私は勝利を確信しました。あなたは選挙結果に干渉しました。それは刑事犯罪であり、あなたは大きなリスクを背負うでしょう。あなたは犯罪者です」
＜ジョージア州の選挙結果＞
バイデン：2,473,633票
トランプ：2,461,854票（ー11,779票）
トランプ大統領が見つけてほしかった票：11,780票
ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は、トランプカンパニーに狙いを定めている。トランプ前大統領は、税制上の優遇措置を得るためにローンを意図的に組み、年次財務諸表の資産価値を不適切に膨らませた可能性を指摘されている。
トランプ前大統領を痛烈に批判したマコーネル氏は声明の中で、「アメリカには刑事司法制度があります。民事訴訟があります。そして、元大統領は過去の問題で責任を問われる可能性があります」と述べた。
マコーネル氏は元大統領に対する弾劾裁判は違憲と判断し無罪に投票したが、「トランプ前大統領が1月6日の暴動を誘発したことに疑いの余地はない」と述べている。
上院はトランプ前大統領から2024年の大統領選挙に立候補する権利を奪えなかった。しかし、多くの人はトランプ前大統領はあまりにも多くの損害を出し過ぎたと信じており、2024年の大統領選挙に出馬する可能性は低いと考えている。
2022年に引退する共和党のパット・トゥーミー上院議員（弾劾裁判で有罪に投票）は、「トランプは選挙の結果を受け入れなかったことで評判を傷つけ、コロナ対応の失敗と1月6日の暴動で致命的なダメージを受けました」と語った。
パット・トゥーミー上院議員：
「トランプは権力を得たいがために、道を誤りました。彼は非合法な方法でアメリカの民主主義を脅かした歴史上初の大統領として記憶されるでしょう」
