米主要都市の州兵撤収へ、トランプ氏が発表、敗訴続き決断か
今回の発表は各地での法的障害と政治的反発を受けた措置とみられる。
に抗議するデモ隊(AP通信).jpg)
トランプ(Donald Trump)米大統領は25年12月31日、ロサンゼルス、シカゴ、ポートランドの3都市から州兵(ナショナルガード)を撤収すると発表した。トランプ氏は自身のソーシャルメディアに声明を投稿。「犯罪はこれらの都市で大幅に減少したが、その唯一の理由は偉大な愛国者である州兵が駐留しているからだ」と述べつつ、犯罪が再び急増すれば「より強力な形で戻ってくる可能性がある」と強調した。
今回の発表は各地での法的障害と政治的反発を受けた措置とみられる。トランプ政権は今年6月以降、治安対策として州兵を複数の大都市に展開してきたが、ロサンゼルスやポートランドでは裁判所が展開を阻止し、シカゴでは最高裁判所が展開を拒否するなど、敗訴が相次いでいた。こうした背景から、州兵の展開を巡る法的正当性への疑問が高まっていた。
ロサンゼルスでは12月中旬までに州兵の撤収が進み、州兵部隊は12月15日までに市内から姿を消した。これにより、カリフォルニア州知事の下で州兵は再び州の統制下に戻る見通しとなっている。オレゴン州とイリノイ州でも地元当局や司法判断によって配置が制限される結果となった。
トランプ氏はこれまで、民主党が率いる都市における犯罪の「急増」を主張し、連邦政府による介入の必要性を訴えていた。地元の民主党指導者らは、治安状況が過度に誇張されていると反発、州兵展開は不必要であり、法的権限を逸脱していると批判してきた。また、法的な争いは他都市でも継続中で、トランプ政権の州兵動員戦略全般に疑問符が付されている。
トランプ氏の発表について、支持者は治安改善への積極的な取り組みとして評価する一方、反対派は「政治的パフォーマンスに終始した」との見方を強めている。特に最高裁判所がシカゴでの州兵展開を許可しなかったことは、行政の権限行使に対する司法の厳しい姿勢を示すものとして注目されている。
今回の撤収は26年の中間選挙を前にした重要な政治的決断とも受け止められており、トランプ政権が今後どのような治安・移民政策を打ち出すかが焦点となっている。トランプ氏自身は「必要であれば再び駐留を検討する」とし、州兵展開を抑止的な手段として位置付ける意向を示している。
