トランプ政権、トランスジェンダー選手の参加めぐりミネソタ州を提訴
背景にはトランプ政権が進めるトランスジェンダー政策の転換がある。
とトランプ大統領(Getty-Images/AFP通信).jpg)
トランプ米政権がトランスジェンダー選手の女子スポーツ参加を巡りミネソタ州を提訴した問題が波紋を広げている。連邦政府は州の方針が連邦法「タイトルIX(教育における性差別禁止)」に違反すると主張する一方、州側は包摂的な政策の正当性を訴えており、対立は法廷闘争に発展している。
司法省はミネソタ州および同州の学校スポーツ統括機関が、トランスジェンダーの女子生徒に女子競技への参加や女子用施設の利用を認めていることについて、「女子選手の公平性や安全を損なう」として違法だと指摘した。特に、連邦資金を受ける教育機関に対し性別に基づく差別を禁じるタイトルIXの解釈を根拠に、州の対応はこれに反するとしている。
今回の訴訟では、州教育当局が是正に応じない場合、年間30億ドル以上にのぼる連邦資金の停止も視野に入るとされ、財政面でも大きな影響が懸念される。
これに対しミネソタ州は、州の人権法が性自認に基づく差別を禁じており、トランスジェンダーの生徒を排除しない現行方針は法に適合していると反論している。また州側はすでに、連邦政府の圧力に対抗するための訴訟も起こし、双方が互いに訴え合う異例の事態となっている。
背景にはトランプ政権が進めるトランスジェンダー政策の転換がある。2025年には女子スポーツからトランスジェンダー女性を排除する大統領令が出され、各州や教育機関に従わない場合の資金停止が示唆されていた。こうした方針のもと、メイン州やカリフォルニア州などに対しても同様の法的措置が取られ、今回の提訴はその一環と位置付けられる。
一方で、トランスジェンダー選手の参加を巡っては、競技の公平性を重視する立場と、差別の禁止や包摂性を重視する立場が鋭く対立している。支持派は「生物学的性別による区分が女性競技を守る」と主張するのに対し、反対派は「排除は人権侵害であり教育の機会均等に反する」と批判する。
今回の訴訟は単なる州と連邦の法解釈の争いにとどまらず、米国社会におけるジェンダー観や人権のあり方を巡る論争を象徴するものといえる。今後の司法判断は全米の学校スポーツの在り方に大きな影響を及ぼす可能性があり、動向が注目される。
