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トランプ政権がCNNを非難、「イラン最高指導者」の声明めぐり


問題となったのは、イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ(Mojtaba Khamenei)師の初めての公式声明の一部をCNNが放送したことだ。
トランプ米大統領(Getty Images)

トランプ政権は12日、CNNがイラン最高指導者の発言を放送したことを強く非難し、報道内容をめぐって政府と報道機関の対立が改めて浮き彫りとなった。これは米国とイランの軍事衝突が続く中で、敵対国の発言をどのように報じるべきかという報道のあり方をめぐる議論を呼んでいる。

問題となったのは、イランの新たな最高指導者モジタバ・ハメネイ(Mojtaba Khamenei)師の初めての公式声明の一部をCNNが放送したことだ。モジタバ師は国営テレビを通じて声明を出し、米軍への攻撃を継続する姿勢や、世界の石油供給に影響を与える可能性を示唆する内容を含んでいた。

ホワイトハウスはSNS上でCNNを批判し、「フェイクニュースのCNNがイラン国営テレビを4分間も途切れずに流した」と主張したうえで、イラン指導部の宣伝を拡散していると非難した。トランプ政権がCNNを名指しで批判するのは今回が初めてではなく、同局は長年トランプ氏から攻撃や嫌がらせの対象となってきた。

2日前にはホワイトハウスの広報部長が、CNNのキャスターがイランの元核交渉担当者にインタビューしたことにも反発していた。ホワイトハウスはX(旧ツイッター)への投稿で、CNNが「イランのテロリストの発言を検証せずに垂れ流している」と批判し、旧ソ連の機関紙になぞらえた。

これに対しCNNは声明を出し、戦争の行方に関心が集まる中で、イラン指導者の発言は報道価値が高いと説明した。放送したのは発言の一部で、内容には分析や背景説明も付けて報じたとしている。また同様の発言は他の国際メディアでも報じられていたと指摘した。

専門家の間でも見解は分かれている。国際報道に詳しいジャーナリストのジェーン・ファーガソン(Jane Ferguson)氏は、敵対国の指導者の発言を報じることはジャーナリズムの重要な役割だと指摘し、政府が報道内容を選別するべきではないと述べた。一方で歴史学者のダグラス・ブリンクリー(Douglas Brinkley)氏は、報道機関が敵対国の宣伝に利用される危険性にも注意が必要だとしつつ、相手の意図や立場を知ることは重要だと指摘した。

今回の騒動は戦時下における報道の責任と独立性という難しい問題を改めて浮き彫りにした。敵対国の発言を伝えることが情報提供として必要なのか、それとも宣伝の拡散につながるのかという議論は、今後も続くとみられる。

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